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スキー場での恋2

2013.12.07 (Sat)

三日目の朝。
ここのホテルの楽しみは、食事。
やっぱり、お昼中スポーツしてるんだから、
しっかり食べておかないと、持ちませんよね。
子どもたちもビフェスタイルに喜んで、
たくさん食べてくれています。

img043.jpg

さて、本日は午前中に上級コースを頑張った後、
午後から、昨日と同じように林間コースに入りました。
少し、曇ってきた感じがしましたが、
快適に滑りました。

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おやって、思ったのは、
そういえば、昨日、彼と衝突した場所。
その彼が、ボードを雪に挿して、一人で佇んでいたのです。
横に止まりました。

「ここにいれば、また、あなたと会えるかもしれないと思っていました
 縁があればって、あなたは言っていたから」
私が言葉を探せないままでいると、
「ねえ、いっしょに行ってもらいところがあるんです。
 眺めがとっても素晴らしいから。 いいでしょ」
そう言って、ボードを付け始めました。

断る理由はありませんでした。
困る理由も探せませんでした。
彼の滑るままに、そのシュプールについていったのです。

林間コースから、
そうとう上級ではないと入れない狭いコースを過ぎると、
急に明るくなって、見晴らしい良い場所にでました。
彼が言うように、見事な眺めでした。

 「ねえ、いいでしょ、ここ。 あなたに見せたくて
  ごめんなさい、昨日から」

あらためて、彼の横顔を見つめました。
多分10歳以上年下の人。
幼さが残る顔立ちですが、知的で、素敵です。

私たちは、どうして、ここで、こうして出会っているのでしょうか。
今はそう、思うしかありませんでした。

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彼は背負っていた小さなザックを下ろすと、
その中から、可愛らしいシートを出して、
私に座るように勧めてくれました。
私が彼の横に座ると、安心したようにしてザックからコンロやコッヘルなどを出すと、
お湯を沸かし始めたのです。

「コーヒーお好きですか」
慣れた手つきで、ミルを回すと、沸き始めたお湯を注いで、
素晴らしい眺めの中での、お茶の時間を作ってくれました。

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これ以上はない光景の中で、
これ以上はない、美味しいコーヒーを飲みながら、
いろいろなことを、随分な時間を掛けてお話しました。
ちょっと笑ったり、ちょっと驚いたり、
これまでにはないような、時間のように思えました。

私が飲み終えたチタンのコーヒーカップを、
シートの横の雪の上に置くと、
それを待っていたように肩を抱き寄せられたとき、
なぜだか、それほど、抵抗はしませんでした。

「あなたが、そんなに綺麗だから」
そう言った彼の顔が近づいて、
そっと、唇が触れ合ったことも、
自然に任せたいたように思えます。

imagesCARH0YF1.jpg

唇だけのキスだと思いましたが、
彼の舌が、私の唇を開こうとしたときにも、
彼の舌が、私の舌を探し絡めようとしたときにも、
そのことが、この見事な景色の中で、
当たり前のようにも思えました。


「随分遅かったのね、ちょっと、心配したわ」
葵さんに言われたとき、返答に困りました。
彼と別れたあとも、
なんだか、ホワイトアウトの中にいるような空ろな気分で、
やっと、ホテルに帰ってきたような気がしていたのです。

無題

思いもよらなかった、スキー場でのできごと。
ごめんなさい、あなた。
でも、正直に書いたんですよ。


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