マスカレード 始まり
2019.07.26 (Fri)
数週間前、駅近くにある加賀屋さんのお店でランチしていました。
少し時間が外れていたので、お客さんは少なくて、奥のテーブルで寛げましたよ。
ランチ限定のお料理も、流石、加賀屋さんの支店だけあって、美味しかったですね。
「ねぇ、順子。神戸でのパーティー、どうだったの」
「神戸のパーティー?」
「そうなの、葵さんには話してないけど、神戸でちょっと面白いパーティーがあって、
それに順子、行ってきたのよ」
「へえ、それで、どんなパーティーなの、順子」
「えっ、ええ、まぁ」
「それが、ふふ、ちょっと、恥ずかしくて、ここでは言えないわ。
ただ、しっかり楽しんだの、間違いないんだよね、順子」
「もう、言わないでよ、桐子さん」
「ふふ、何慌ててるの、あなたがどうだったか、Tから聞いてるんだから」
私、慌てて目を伏せて、治部煮に箸を向けましたが、
そんな私に追い打ちをかけるように、桐子さん、驚くようなこと言ったんです。
「ほら、若い子、いたでしょ。彼、順子のこと、忘れられないって、
きっと、すぐに、逢いたいって連絡があるわよ。
また、お相手、してあげてね。ふふ」