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六条通りから6 

2021.05.10 (Mon)


リビングのソファーに座って、
私、ぼんやりと、そうた君との、これまでの時間を思い出していました。
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(そうた君と私の街6)から

「旦那さんに、抱かれないで」
「私、あなただけのものよ」
「そう、僕だけのものでいて。僕だけの、身体でいて」
「わかったわ、そうた君にしか、抱かれないわ」
「約束して」
「えぇ、約束する」

「僕のものが欲しいだよね」
「欲しいわ、そうた君のもの」
「僕の何が欲しいの」
「精液が、あぁ、欲しいの、そうた君の、精液」

そう、私が言った途端、私の身体の中に深く入れられていた、
彼の男の人のもの、
太く硬くなって、どくとくって、脈打ち始めました。
私、身体の奥に注がれだした精液の温かさに誘われるようにして、
彼との約束、しっかりと守ること、
もう一度、泣き叫ぶようにして、告げてまっていたのです。

「約束するわ。私の身体、そうた君だけのものよ。夫とはしないわ」

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去年の夏、夫が松江に出張に行っていた数日、
私の家に、突然やってきたそうた君、
人妻である私に、夫との夫婦の営みを拒むように約束させられました。
それまで、何度もそうた君に抱かれ、
そして、彼の男の人のしるし、身体の奥に注ぎ込まれ、
もう、すっかりと、彼のものとして、
私の身体と、そして、こころが、染め上がられていた時でもあったのでしょうね。

出張から帰ってきた夫から、その夜、当然のように求められましたが、
そうた君との約束を守るために、
風邪気味だと嘘を言って、珍しく、夫を受け入れることを拒みました。
きっと、夫には、いぶかしがられたと思っています。

けれど、その数日後、もう一度、求められて時には、
こころに浮かんだそうた君に、許しを請いながら、
いつものように、夫のもの、身体の奥に迎えたのです。
それは、夫婦として、仕方のないことだったと思っていました。


(六条通りから5)から

「あぁ、出そうです」
「そうた君、お願いよ」
「あぁ、もう」
「駄目よ、外に」

慌てるように、私がそう言うと、彼、少しだけ動きを緩やかにしてくれました」

「やっぱり、このまま、出したい」
「えっ、だから」
「順子さんのこと、好きだから」
「でも」
「僕のもの、受け入れて」

そうた君、そう言うと、息が止まるほど、私の身体を抱きしめると、
私の身体の奥を確かめながら、
その逞しい腰の動き、それまでと同じように、続けたのでした。

彼の肩越しに、天井のライトを見上げていました。
彼の腰の動きに誘われるように、後、幾らもしないうちに、
私、悦びの頂に昇りつめ、そして、きっと同時に、
そうた君、私の身体の奥に注ぎ入れるんだわ、
それも、人妻として、許されない時に、夫ではない、自分の精液を。

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夫ではない男の人のしるし、受け入れるには安心のできない周期であったその日、
お口で被せてあげたスキンを外してしまったそうた君の、おびただしい量の精液、
とうとう、身体の奥に、注がれてしまっていました。

若い時から、女性の周期の不順はなかったのですが、
この月には、いつものように、予定のころに訪れることはなく、
心配していたことになってしまったのかなぁと、
半ば、諦めもしていました。
けれど、夫ではない、若い彼のしるしが、私の身体の中のたまごと一緒になって、
私とそうた君の、新しい命を育みだしているのかもしれないという気持ちは、
人妻として、もちろん、恐ろしいことではありましたが、
彼の恋人として、嫌悪を抱くことではなかったような気がしていたんです。

そうた君と出会い、抱かれてから、もうすぐ、二年になろうとしていました。
神戸、初めて彼のものを迎えた夜、
夫と、そうた君と一緒に行った天草での日、その帰路、彼の部屋で過ごした時間。
そして、突然、私の街にやってきた彼と、自宅の部屋で、こころと身体の求めるがままに、
身体を重ねあった夏の数日、その二か月後の、京都での午後。

もし、彼との間の命を育てるために、
夫と、そして、大切な子どもたちと別れ、
彼の元で生活を始めてしまうこと、仕方のないことのように思えるのも、
今の私にとっては、正直なことのようにも思えていたのでした。

どうかしていたんでしょうね。
でも、それだけ、そうた君に、そうた君の男の人のものに、
染められあげられていたのは、間違いのないことだったのです。

リビングのテーブルに置かれた携帯電話のメールに、もう一度、目を移しました。
そこには、これまでお付き合いをしていただいたことに対してのお礼、
二人での楽しかった思い出のこと、
そして、これ以上、私に迷惑を掛けられないこと、
それは、心配な時に、そうた君の情熱のままに、彼の精液を受け入れてしまった私に、
これから起こるかもしれないことで、私に迷惑をかけられないこと、
そんなことが書かれていました。

携帯電話を持った手に、熱いものが滴り落ちました。
それは、そうた君との悲しい別れに他ならないことでしたが、
けれど、これからの二人にとって、幸せなことだったのかもしれませね。

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13:08  |  そうた君とのこと  |  Trackback(0)  |  Comment(8)
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