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マスカレード

2019.09.29 (Sun)


糊のよく効いた白いシーツを両手で握りしめ、
人には聞かせられない、動物のような恥ずかしい声、押し殺そうと、髪を振り乱していました。

どうかすると、ベッドの宮台に、髪が触れそうになるほど、
身体の奥を後ろから突かれ続けられ、
悦びに昇り詰めること、数えられないほど、告げていたんです。

背中が反り、望んでいた瞬間が、また、訪れようとしたとき、
腰に当てられていた彼の両手にも力が加わり、曇った声が、背中に降り注ぐと、

「あぁ、順子、出すよ」

その曇った声に応えるようにして、私は大きく頷き、
もっともっと深く深く欲しくて、むしろ私の方から、自分の腰、彼の腰に当てるように、
身体を振ってしまっていたのでした。

いくらもしないうちに、
彼の固いものが、自分の身体の中でそれまで以上に太く膨らみ、そして、脈打ち、
曇った声と同時に、身体の奥が温かくなっていくのが分かりました。
そして、それを感じたと同時に、
その温かさに、つられるようにして、目のくらむような喜びの頂点に、昇り詰めていったのです。

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薄っすらと部屋の中を照らすベッドライトの淡い灯りに身体を染めながら、
精液と愛液に濡れた性器を繋げあったまま、二人、荒い息を聞かせていました。
背中に感じる彼の肌の温かさと、注がれた身体の奥の彼の液の温かさに、
言いようのない幸せを感じていました。

「良かったよ。久しぶりだったからね」
「ごめんなさい、不自由させちゃって」

寄せられたくちびるに、むしゃぶるように吸い付き、舌を絡めると、
身体の中で、彼のものの太さ、また、だんだんと蘇りだし、
それに応えるように、ゆっくりと肉壁が、それを締め付けると
甘い声を聞かせてしまっていたのでした。

「Tが会いたいて、言ってたよ」
「えっ 駄目よ。お断りしてくださいね」
「神戸でパーティーがあるらしいんだ」
「えっ、神戸…。 困るわ、Tさんとは、お逢いしたくないわ」


京都から二週間ぶりに帰ってきて、私自身が狂おしいほど待ち遠しかった夫との営み。
留守をした時間を補うように、私のこと寝かせてくれないほど、長く愛してくれました。
けれど、夫に抱きしめられながら、
そんな、思いもしていなかったことを、聞かされたのです。

夫のある身なのに、その夫の友人であるTと身体を繋げあう関係になって、
もう、随分と経ちました。それも、その度、二人の出会いを切り出すのは、
いつも、私にとって、まぎれもない最愛の夫だったのでした。


営みの後、背後から回された夫の手のひらに、たわわな乳房の膨らみを揉まれ続けられ、
夫婦としての幸せなまどろみの時間を過ごしながらも、
ともすると、夫には今しがた、その人との出会いを断った、
これまで、求めらるがままに身体開き、その精液を迎え入れさせられたTの端正な顔、
そして、喜びの頂を迎えたときに、思わず夢中で抱きしめた彼の広い背中、
そんなこと、ぼんやりと思い出してしまっていたのです。

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