二度目のお勤め
2021.05.31 (Mon)
3月の始め、主人が仕事でお付き合いの永い、弁護士のYさんから、
久し振りにお電話をいただきました。
「いやぁ、申し訳ないけど、前みたいに、うちの事務所で務めてもらえないかって思ってね」
ちょっと、驚きましたが、
それは、若い男の人とのことで、少しこころが沈んでいた私には、
何かしらこころ踊る、嬉しいお誘いでした。
もう、随分と前にはなりますが、
数年間、Yさんの法律事務所で務めさせてもらってたんですけど、
当時、所長だった翁先生やYさんを始め、皆さん、善い人ばかりで、
お勤めの経験のなかった私も、楽しく働くことができたんですよ。
今回も、前同様、週に二、三日、10時から3時頃までの勤務だから、
主人に迷惑は掛からないだろうし、習い事やエステも、困らないと思いました。
「ありがとうございます。気にかけていただいていて、今夜主人に相談してみます」
「えぇ、そうしてください。なんせ、大事な奥様をお借りすることになるんだから、
あぁ、この話、一番喜んでるの誰だと思う、親父なんだよ」
でも、私には、Yさんの息子さんである、よし君のことが、こころに浮かんでいました。
Yさんの奥様に頼まれて、洋服のオーダーや、食事の注文やマナーなど、
社会人としての常識を教えているうちに、
とうとう、求められるがままに、自分の身体を与えて、
彼にとって、初めての女性になる夜を過ごしてしまっていたのでした。
でも、その事、夫も知っているし、
それに、よし君も、今は、二人の子どものいる立派なお父さん、
昔のような間違いはないだろうからって、その時はそう、思っていたんですが。