ひろしとのこと8 自宅
2019.02.25 (Mon)
息の詰まるほど、強い力で抱き寄せられると、
抗う間もなく、くちびるを重ねられました。
いえ、それは、私がそのことを、幾らかでも待っていた証だったのかもしれません。
懐かしく思われる舌が、お口の中に差し込まれてくると、
逃げることもしないで、自分から舌先、絡ませてしまっていたのですから。
「待ち遠しかったんだろ」
その言葉に正直に応えるように、胸元を押し返そうとしていた両手は、
いつの間にか彼の広い背中に廻され、
少しだけ、背伸びをするようにすると、くちびる、ねだってしまっていたのです。
玄関のチャイムが鳴ったお昼前、インターフォンの画面を見ると、
思いもしなかった彼の姿が。
どうしてって、ひどく狼狽えました。
そのまま、ドアを開けなければ、それで済むことだったのに、
ふらふらと、何かに引かれるようにして玄関ホールに向かうと、
震えるような手で、ドアロックを外してしまっていたのでした。
「仕事で近くまで来たんだ。順子の身体、思い出して、ほらっ、こんなに」
そう耳元で言った彼の手に引かされた手、スラックスの前を触れると、
男の人のものを、形が分かるくらいに硬くしていること知らされ、
その途端、頭の中に、うっすらと霧のようなものが広がり、
息遣いが荒くなったこと、自分でも分かりました。
二週間ほどの前の日中に、
その、驚くほど大きく、反り返ったもの、強引に身体の奥に迎え入れさせられ、
夫のある人妻だというのに、夫ではない男の人から与え続けられる強い悦びに、
永い時間打ち震えながら、過ごしてしまっていたのです。
「これ、そろそろ、欲しくなった頃だろう」
リビングのソファーの背に両手を突かせながら、
スカートから手際よく下着を抜き下ろすと、身体を被せてきたんです。
燃え上がるように熱く感じられた彼の懐かしい男の人のものが、
太ももに触れ、裸のお尻をなぞりました。
悲鳴を上げて逃げても良かったはずなのに、
セーターをたくし上げ、ブラを外そうとした彼の手、むしろ、
自分から手助けしているようにも思えたのです。
「ほら、これ、入れて欲しいんだろ。だったら、そう、言えよ」
そう言われるまでもなく、触れ続けられる彼の熱いものに誘われるように、
太ももを流れ伝うとも思えるほど、にじみ出した愛液を感じてました。
昼下がりの家に、何の約束もしないままに、入り込んできた彼、
人妻であるはずの私と、まるで、恋人を相手にしているようにして、
今、身体を繋ぎ合おうとしていたんです。
そして、そんなあってはならないならない時間を、
私、抗うことなく、迎えようとしていたのでした。
「さぁ、入れるぞ」
「駄目よ」
「俺たち、もう、他人じゃないんだから」
「嫌、かんにんして」
「あんなに、俺のもの、欲しがってたじゃないか」
「あぁ、言わないで」
そんな私の言葉を聞かないようにして、
とうとう彼のもの、私の気持ちとは裏腹に、
迎える準備をすっかり済ませていた濡れた秘唇を、押し開きだしたのです。