台湾旅行5B 交代式
2017.03.30 (Thu)
ホテルのレストラン、窓際の眺めの良い席、
Nさんと二人、少し歳の離れた仲の良い夫婦のようにして、
ビュッフェスタイルの朝食を頂きました。
主人とのお部屋に戻れなかったから、
自分の洋服が、昨日と同じこと、ちょっと、気になったけど、
後で、お部屋に戻って、着替えるつもりでした。
お昼と夕食、きっと、今日も中華料理だからだろうと思って、
Nさんには、卵料理やハムとソーセージ、
それに、フレッシュサラダを持ってきてあげましたよ。
洋食が食べたかったんだって、
Nさん、美味しそうにフォークを動かしてました。
良かったわ、少し、元気になってくれて。
でも、やっぱり、私、複雑な気分だったんですよ。
それに、パパと奥様、とうとう、レストランには、やってこなかったんです。
いつものように、ツアーのバスが迎えに来てくれましたが、
奥さまに誘われて、一番前の、見晴らしの良い席に、
並んで座りました。
12名のツアーに、大型バス一台が用意されていたので、皆、ゆったりと座れて、
私たちの周りの席、誰も座ってなかったんです。
「ごめんなさいね、昨日の夜は。地中海の時みたいに、無理なお願いして」
私、返す言葉を見つけられませんでした。
「聞きにくいんだけど、で、どうだったの、主人」
「えっ」
「あぁ、そうなんでしょ、やっぱり、駄目だったのね。
綺麗なあなたがお相手だったら、もしかしたらって、思ったんだけど」
私、慌てて目を伏せると、
パンフレット、握りしめるしかありませんでした。
「去年の夏の終わりごろから、夜のこと、すっかり、駄目になっちゃって。
定年退職まで、あと3年、
部長になって、いろいろと、お仕事が忙しくなったからかしら。
あなたがお相手で、元気になってくれるんだったら、
それなら、仕方がないって思ってたけど、
やっぱり、あなたのこと、満足させられなかったのね」
そう言うと、奥様、窓の外の緑あふれる景色に、涼しげな綺麗な視線、
一度、移したんですけど、
急に思い出したように、私の顔、見直すと、
「あっ、ごめんなさい、だんな様のこと、一晩、お借りしちゃって、
ありがとうございました。
主人があんなで、男の人、ずいぶん、ご無沙汰だったから、
すっかり、お世話になっちゃって、
どうしようもないくらい、泣かされたわ。
それにしても、順子さん、お幸せだわね、
ご主人、あんなにハンサムで、優しくて、
それに、あんなにおっきいんだもん。ふふ。
ごめんなさいね、今朝だって、
起き抜けのご主人に噛り付いて、離さなかったのよ、私が。
やだぁ、なんだか、思い出しちゃったわ。ご主人の」
そう言うと、奥様、胸に手を当てて、
うっとりとした眼差しになってしまったのでした。
「虹の村」という、狭いエリアの建物や村中を、
そこに住むおじさんが、
なんだか、面白く、見事にペイントした観光地を見学。
丁度、そのおじさん本人がいらっしゃったので、
写真、一緒に撮りましたよ。
移動の途中で、ガイドさんが自慢してた、
美味しい、台湾バナナもいただきました。
昨日の夜のこと、パパには聞かなかったし、
そして、同じように、Kさんとのこと、お話しませんでした。
あんなに満足させるほど、
パパ、奥様の身体、熱心に抱いた話、聞くの嫌だったし、
私だって、パパにいえないようなこと、Kさんに、してしまったんだから。
その後、台湾では新婚旅行のメッカと言われる、日月潭という湖に到着。
中国宮殿では最大と言われる文武廟があって、
気持ちよく晴れた空の下、素晴らしい景色でした。
けれど、自殺の多いところとのお話もあって、残念だったですね。
昨日、新幹線で南下した距離を、
バスで北上して台北に戻ってきて、忠烈祠に到着。
国のために殉難した方々を祭る施設、
その中でも、衛兵さんたちの交代式が有名ですよね。
始めてみましたが、本当、若い衛兵さんたち、立派でした。
感激しましたよ。
四川料理の夕食を頂いた後、今夜のホテルに到着。
いつものように、素敵なお部屋でしたが、
Nさんから内線があって、買い物に出かけることになったんです。
当たり前のように、Nさんに腕を組まされて歩き。
まずは、奥さまが言われる、中華靴を買いに、地下鉄に乗りました。
台湾、最後の夜、思い出深い、素敵な時間になればって、
その時は、そう、思っていたんですが。