六条通りから3
2021.04.26 (Mon)
しばらく前の自宅、午後の穏やかな日差しが差し込んできていたリビングのソファーに、
携帯電話を手にした私がいました。
相手は、あれから時々電話してくれるそうた君。
いつものように、すこし、驚きうろたえはしましたが、
彼のお仕事や、夏の二人での能登旅行の話など、
屈託のない彼との話の相手をしているうちに、
私も、正直な気持ちに、させられていたんでしょうね。
けれど、
「順子さんとこうして話をしていると、思い出しちゃいます」
「えっ、何のこと?」
「ほらっ」
「だから、何?」
「えーと、ほらっ、順子さんの身体」
「やだぁ」
「さっきから、順子さんの声聞きながら」
「何?」
「自分のもの、擦ってるんですよ。もう、ちょっと、あぶなくなってます」
「まぁ、たいへん」
「順子さんも、下着脱いで」
「ばかぁ、駄目よ」
「一緒に、ね、いいでしょ!」
こころの中に、ぼんやりと霧がかかってくるようでした。
私、もう一度、催促される前に、リビングのレースのカーテンを引くと、
ソファーに座り直して、遠く離れているはずの、
夫ではない、彼に言われるがままに、下着、ゆっくりと下ろしてしまったんです。
自分では気が付かないうちに、
私の、秘唇、うっすらと、潤んでいること、その時になって、わかりました。
「ねぇ、僕のものだと思って、指、入れてみて」
「いや!」
「これ、入れたい、順子さんの中に」
「あぁ、欲しくなっちゃったわ、私も」
「指を増やして、もっと、動かして」
そう言われる前に、自分の濡れた秘唇を、押し開くと、
私、二本の指を絡めて、
身体の求めのおもむくがままに、手の動きを速めていたのでした。
「あぁん、すごいわ、そうた君の」
「僕も、我慢できない」
「ごめんなさい、何もしてあげられなくて」
「いいんです。順子さんの、思い出しながら、出すから」
「いっぱい出して」
「あぁ、出そう」
「一緒に、一緒にお願い」
「もう、出る」
「あぁ、私も、いきそう」
そう言うと、私、右手の動きを速め、
左手で乳房を揉み上げて尖った乳首を摘まみながら、仰け反ったのでした。
曇ったそうた君の声が聞こえました。
それと同時に、私の眼には、ここにはあるはずもない、
彼のおびただしい精液の飛沫を、私の目にはっきりと浮かべると、
細い泣き声をあげて、ソファーの背もたれに、顔、埋めたのでした。
喘ぎの治まったころ、なぜだか私、
聞かれもしないのに、そうた君に、告げてしまっていたのです。
来月、そうた君の住んでいる神戸から近い、叔母さんのいる京都に行くということを。
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