別荘での過ち5
2014.12.27 (Sat)
「順子、カササギ、見たって、本当?」
「えぇ、きっと、そうだと思うんだけど」
それぞれの夜を、そして、それぞれの朝を頑張ってくれた夫たちに、
目玉焼きふたつを奮発した朝食、木製のトレーで運ぶと、そう言われました。
「数年前から、北陸でも、時々、見ることができるようになったから、
もしかしたら、そうかもしれませんね」って、
コーヒーのカップをトレイに戻しながらM先生。
「先生、カササギの特徴って、黒白の配色以外に何かありますか?」
「えぇ、やっぱり鳴き声ですね。ちょっと、下品な。カエルみたいな鳴き声ですよ」
「まぁ、姿はあんなに可愛いのに、鳴き声がそれじゃ可哀想だわ」
「あぁ、それから、天の川のお話の中で、織姫と彦星の仲立ちをしたのが、
カササギって言われてますね。ロマンチックな鳥でもあるんですよ」
「まぁ、それって、素敵なお話」
思わずTさんと、目が合ったような気がして、思わずうつむきました。
思いもかけず、朝の淡い光を浴びながら、身体を繋ぎ合った私とTさん、
その仲立ちをしたのは、あの時のカササギだったのかもしれません。
「Tと一緒に、カササギ見たのかい」
部屋に戻ると、主人から、そう、言われました。
「パパも行けばよかったのに、ほら、先の小さな公園で、偶然」
「へぇ、偶然にね」
そう言うと、身体を寄せてきて、
今朝、男の印を注ぎ込んだ自分だけのものであるはずの私のお尻、
ゆっくりと撫ぜたのでした。
二人の男の人の液、私の中で交じり合い、
身体の隅々にまで、沁みこんでいるように思えました。
そして、もしかしてそのことを、すでに主人は、知っているようにも思えたのですが。