六条通りから4
2021.05.02 (Sun)
「ごめんなさい、すぐに欲しいの」
さっき、私のお口の中に、一度、済ませたばかりなのに、
男の人のもの、ベッドに横たわった彼の身体から、そそり立っていました。
私は、慌てるようにして、その火傷をしそうに熱くなったものに手を添えると、
ゆっくりと、腰を下ろし、
何の必要もないほど、しとどに愛液で濡れた私の秘唇は、
彼のもの、すぶずぶと銜えこんだのです。
細い声を上げて、彼の肩に跡がつくほど、添えた手の平に力を入れましたが、
二度、三度、彼の腰が突き上げられると、
もう、たったそれだけで、悦びに昇り詰めることを告げ、
彼の胸に倒れこみ、むしゃぶりつくように、彼のくちびるをねだったのでした。
彼の腰に跨ったまま、二度、三度、背が反り返り、悦びに打ち震えました。
その喘ぎが治まらないうちに、彼に促されるようにして、
けだるそうに膝を立て、彼に背中を向けると、
そうた君の両手が、自分の括れた腰に当てられたことがわかりました。
時間が無かったこと、彼も心配していたのでしょうか。
その不足していた時間に間に、しっかりと、私の身体を味わいたかったのでしょうか、
そんな、乱暴だと思えるほどえぐる様にして、
自分の男の人のもの、私の身体の奥に、突き入れたのです。
繋がり、動き続けた二人の間に、殆ど、言葉はありませんでした。
狂おしいほど、逢いたかったはずなのに、
今、こうして、抱き合ってしまうと、そんな感情よりも、
ただ、ただ、身体の求める欲望を、満たしたかったように思えたのです。
短い時間だったはずなのに、
そうた君から与えられた強い悦びに、何度、悲鳴をあげたのか覚えていません。
二人の身体の繋がりがほどけ、荒い息遣いのまま、
天井を見上げた私の身体を、余韻の麻痺が走り抜け、
その度、どうしようもない、甘い声、漏らしてしまってましたが、
幾らもしないうちに、そうた君の身体、そっと、被さってきたのです。
限られた時間の幕は、後僅かで降りること、気づきました。
私、そうた君の身体から、上手にすり抜け、
枕元にある可愛らしい猫足のテーブルに乗せてあったハンドバックに手を伸ばし、
ファスナーの付いた内ポケットから、
この時のために、そっと持ってきたものを取り出しました。
「ごめんなさい、今日は、これ、ね」
そう言うと、お口に咥えたそのスキン、彼のいきり立つような男の人のものに、
するするって、上手に被せました。
それは、何も付けないままに、彼の若く濃いしるし、たくさん身体の奥に注がれたら、
彼との赤ちゃん、孕んでしまうことになってしまうかもしれない、
私の身体がそんな周期にあることを、分かってもらうためだったんですが、
眩しそうに、見上げたそうた君の顔が、少し、曇った表情になったこと、
残念なことに、見逃すことができませんでした。
本当は、わかるはずもないのかもしれない、スキンの薄い膜、
でも、やっぱり、男の人って、何も付けないで、
そのまま女の人の身体の中に、自分のしるし、注ぎ入れたいんですよね。
私も、膜の感触のこと、よくはわからないけど、
そのまま身体の中に、大好きな人の温かな精液、出してもらえるのか、
それとも、膜越しに感じるのかで、
悦びの深さも、やっぱり、違うように思えるんです。
でも、今日は、駄目。
このまま、そうた君の若い濃い精液、たくさん、出されてしまったら、
彼のしるし、きっと、私のたまご、見つけ出してしまうんだろうから。
それは、そうた君も、私も、望まないことだから。
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