佐渡での数日
2017.01.23 (Mon)
恥ずかしくて、いたたまれなくて、
薄っすらと開いた、唾液に濡れた唇から漏れる桃色の細い喘ぎ声、
我慢すること、できませんでした。
自分の白く細い指を添えた、彼の熱いの男の人のものの先からは、
その余りの量に耐えかねて、滴り流れ、きらきらと光る透明な液が、私の指を濡らしていたのです。
「本当に、私でいいの?、初めての人が」
喘ぐ彼を見下ろしながら、そう尋ねたのに、
そう言った私自身が、ひどく取り乱していたのは、間違いありませんでした。
片膝を立てて、お互いのものの位置を探り、
二人のおびただしい愛液に濡れた性器が微かに触れ合うと、
「あぁ」
って、私の方が先に、自分でも驚くような、甘い声、彼に聞かせてしまっていたのです。
「痛くない?」
なぜだか、そんなことを尋ねていました。
初めてのとき、女性と同じように、男の人にも、微かな痛みがあるって聞いたことがあったからです。
「えぇ」
男の子にしては、長いまつ毛を震わせながら、彼がそう頷いたのを見ながら、
私自身が、とうとう観念したように、少しずつ、ふくよかな腰、沈めだしてしまったのでした。
太い彼のものの先が、私の濡れた秘唇、ゆっくりと押し開き、
滴るように、愛液を滲ませていた自分の肉壁の奥に向けて
少しずつ、入り込みだしたの分かりましたが、
もう、その時、欲しくて、早く欲しくて、完全に自分を失っていたとも言えたのです。
彼にとって、忘れられない、始めての女性になる。
夫だけのものであるはずの、この、人妻の身体を開いて、与えて。
そのことに、どうしようもなく、こころ乱していたのは、私自身だったのでしょうね。
その年の初春、兼六園で偶然お逢いした、ある大学の先生とその教え子の学生さん。
葵さんと、この街の観光案内をさせてもらったお礼にと、
贅沢な夕食をご馳走していただいたんですけど、
その後行った素敵なカラオケの店で、学生さんである彼と、
ちょっと、人には言えないような恥ずかしい時間、過ごしてしまったんです。
女の人の身体、まだ、知らない彼に、胸を触られ、露にした乳首さえ吸われましたが、
幸い、彼の男の人の液、私の手のひらで受けとめてあげることで、
その夜は終わることができました。
女性との経験のなかった「彼の卒業」
そう言われていた宿題が、まだ、残っていたんですよね。
それから、暫くしてからでした。
「ねぇ、新潟の先生が、また、逢いたいって」
そう、葵さんから、連絡があったんです。
その時のお話「筆下ろしの夜」は、↓ から、どうぞ。
「筆おろしの夜」
「若い子の相手を、上手にしてあげることも、ベテラン女性の務めだよ。
どんなことがあったか後で話してくれるなら、 僕はかまわないよ」
主人にも、冗談のようにそう言われたし、子どもたちは丁度、林間学校でお泊りだったので、
少し心配しながらも、葵さんと二人で、二泊三日の佐渡旅行に、行くことにしたんですよ。
「先生、三年前に奥様を亡くされて、寂しいんだって、
今度の私との旅行、しょうがないわいよね。
あぁ、順子、研一君のこと、お願いね。いいじゃない、あんなに可愛い子だもの、
上手に可愛がってあげてよ、あなた、上手でしょ」
新潟までの列車の中で、葵さんとそんなことを話していました。
駅で二人と落ち合った後、新潟港から、ジェットフォイルで、両津港へ。
フェリーと違って、やっぱり、早いですよね。
お約束のように、先生と葵さん、ちょっと離れた席で、あの時と同じように、いちゃいちゃしてたんですよ。
研一君も、私の隣の席に座って、コーヒーとか買ってきてくれて、優しかったです。
暫く前のあの夜、
若者らしい、驚くような熱いたくさんの男の人の液で、私の手のひらを濡らしたものの、
彼にとっては残念なことに、そして、私にとっては幸いなことに、
身体を繋ぎ合う様なことはなかったのに、
この旅が、彼にとって、そして、私にとって、どんな数日になるのか、
薄っすらと予想はしながらも、その時は、もちろん、何もわからないでいたのでした。
両津の港から、二台のタクシーでホテルに向かいました。
当たり前のように、先の自動車に、先生と葵さん、
追いかけるように、彼と私を乗せた車が続きます。
それにしても、葵さん、だんな様のSさんには、何て言ってきたのかしら。
私の主人やTさん二人以上に、とっても固いお仕事なのに。
正直にお話して、許してもらえたのかしら。
素敵なホテルのロビーで、
先生から、お部屋の鍵を渡され、そして、夕食の場所と時間を教えられました。
えっ、私、葵さんと同じじゃないのって、そう思っていたのに、
当たり前のように、腕を組んだ先生と葵さん、さっさと、ロビーから姿消したんです。
まぁ、素敵って、声が出た、これ以上はないような、オーシャンビューのお部屋。
夏の見事なコバルトブルーを見せた日本海が、目の前に広がっていました。
この素晴らしい景色が、そう、今、隣で一緒にその海を眺めている彼との、
深い思い出になるのかしら、そうも思えたのです。
「ごめんなさい、無理言って、こんな遠いところまで」
「ううん、いいのよ。佐渡、久しぶりだったし、それに」
「それに?」
「宿題を残してた、研一君。あなたに逢いたかったから」
どうして、思ってもいなかったそんな言葉、言ったのかわかりませんでした。
けれど、自分でも気が付かないうちに、
彼との宿題を果たす覚悟、こころにあったのかもしれませんね。
案の定、後ろから羽交い絞めにされました。
ちょっと、乱暴な彼の両手が、前に回り、薄いブラウス越しに胸の膨らみに被さります。
「忘れられなくて、あれから、ずっと、順子さんのことが」
「えぇ、私も」
「勉強が手につかなくて、どうかしたんじゃないかって、友達にも言われたし」
首筋に、乱れた熱い息がかかり、幾らもしないうちに、濡れたくちびるを感じていました。
「いいの? 私で」
「順子さん以外、考えられないんです。大好きだから」
そんな彼の言葉に、誘われるようにして、彼の胸に向きなおすと、
自分から、背伸びをして、くちびるをねだりました。
「ごめんなさい、人妻なの、あなたに抱かれるわけにはいかないし、
キスだって、できないのよ」
そう言ったあの夜の言葉、もう、忘れた振りをしてしまったのです。
良い匂いのする、少し乱れた息遣いが感じられ、
僅かに触れ合ったくちびるを感じると同時に、背中に回されていた両手で強く抱き寄せられ、
歯があたる様にして、くちびるを重ねてきたのです。
「あぁん、駄目よ、もっと、やさしくして」
一度、彼の胸板に両手を当てて、そう言った後、
もう一度、背伸びをすると、舌先で、彼のくちびる、ゆっくりと、なぞったのでした。
彼以上に、息が乱れ始めたこと、自分でも感じてました。
なぞっていた舌先がくちびるを分けると、彼の舌を探す間もなく、
我慢できなかった彼のものが、私の舌先に絡んできたのです。
二人の、恥ずかしいほど乱れた息遣いを聞き合いながら、
お互いの舌を絡め、吸い、そして、唾液をすすり合いました。
頭の中に、うっすらとしたもやがかかり、
人妻としての貞操が、だらだらと、溶け出していくのが感じられていったのです。
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