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夜の黒川温泉

2017.01.09 (Mon)


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暗い木立の隙間の向こう側から射す、薄っすらとした僅かな茜色の灯りが、
透明な静かなお湯に溶け込んでいました。
丁度良い温かさの、さらさらとした、温泉の肌触りのなんとも言えない気持ちよさに、
何度も手にすくうと、そっと、白い胸元にかけていたのです。

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大好きな主人、隣にいないのはちょっと寂しかったけど、
今だけは、自分だけの、身体、ゆっくりと癒していたのでした。

震災のとき、いろいろと助けてもらったお礼にと、
熊本の叔父さんが、その時手伝いに行った親戚の私たちを、
阿蘇の黒川温泉に招待してくれたんですよ。
福岡空港で、純君たちに拾ってもらって、乗せてきてもらいました。

「僕は手伝いに行けなかったし、仕事もあるから」
そう言われて、私、ひとりで、行かせてもらうことになったんです。



お夕飯まで、随分とゆっくり時間があるから、お部屋にあった素敵な浴衣に着替え、
主人や、京都にいる娘たちに、何かお土産はないかって、
ひとりで温泉街を散策しましたよ。
残念なことに、お天気は今一歩だったけど、
それは、それで、街中に打ち水をしたようで、
しっとりとして、趣がありました。

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阿蘇の高菜を使った漬物、美味しそう。お酒やご飯に合いそうだわ。
工夫された生菓子もあったけど、ちょっと、日持ちがしそうにもなくて、
娘たちには、無理みたいね。

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山間の温泉郷で、ちょっと、寒いかなぁって、思えたけど、
宿について、早速、すぐに入ったお部屋の熱いお風呂のお陰で、
気持ちのよい散策でした。

「いいお土産、見つかった?」

後ろから不意に、声をかけられ、びっくり。
まぁ、純君。

「やだぁ、びっくりしたわ。あらっ、みどりさんは?」
「いつものことさ、部屋のお風呂に入ったら、疲れたって、お昼寝中なんだ」
「そう、結構、時間掛かったし、高速道路降りてからは、ずっと、山道だったからね」

そんな私の言葉が終わらないうちに、
何も言わないで、そっと、手を握られたの、別に嫌がりはしませんでしたよ。

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本当に、物心付いたころから、一緒に遊んだいとこの純君。
前に、書いたことがありますけど、
お互いが大学生のころ、二人で長崎のハウステンボスに行って、
そして、思いもよらず身体を繋いだ夜を過ごすと、
暫くの間、本当に、恋人たちのように、そんな関係を続けた時期がありました。

男の人とのこと、丁度、初めて済ませたこともあったし、
私の身体が、異性のこと、欲しがっていた頃だったのかもしれませんね。

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「純君も行くんだろう」
「えぇ、あなた、嫌でしょ。旅行、断ってもいいのよ」

「そんなことないよ。僕は、かまわないさ。君が良ければ」
って、純君と私のこと、もちろん、知ってる主人、
視線を移して、そう、言ったのでした。

「久しぶりだよね、順子ちゃんと、こんなの」
仲の良い夫婦のように、温泉街をゆっくりと歩く二人。
繋がった手に、力が加わって、寄り添っていた彼の肘が、
当たり前のように、私の胸の柔らかさを、優しく楽しんでいたのです。

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「ご主人、来てないから、一人部屋だよね。夜、遊びに来ていいかなぁ」
「えぇ、良いわよ。みどりさんと一緒においでね。お酒、用意しておくから」

そう言いながら、ちょっと、心配しました。
お互い、結婚して、子どもたちにも手が掛からなくなって、穏やかな家庭なんだけど、
純君、隙を見ては、私の身体、昔と同じように、求めてくるんですよ。

ちょっと前にも、あぶないことがあったんです。


手形があると、泊まっているところ以外の温泉も楽しめたし、
夕食も、山菜や山女、肥後牛のお肉など、本当に楽しめました。
叔父さんたちも、随分と元気になられて、嬉しかったです。

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「順子ちゃんのところ、露天風呂付いてるでしょ。
 一時間位したら、僕たちももらいにくるから、先に入っててよ。
 いいでしょ」

宴が済んで、部屋に戻ろうとすると、純君に、そう声を掛けられ、
二次会のためのお酒、仲居さんにお願いして、戻りましたよ。
純君に勧められて、お酒、飲みすぎて、ちょっと、ふらふら。

お部屋に敷いてあった、贅沢な布団に、浴衣の裾、乱れましたけど、
お行儀悪く、ごろんと横になったのでした。
あぁ、食事、美味しかったなぁ。

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