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別荘での過ち9

2015.01.10 (Sat)


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昨日の朝と同じような、穏やかな光が部屋の中に射していました。
隣のマットには、向こうを向いた主人の肩が、
いつものように、ゆっくりと上下していました。
けれど、妻ではない女性に男の人の液を注いだ夫、
そして、夫ではない男性に男の人の液を注がれた妻。
心配していたように、思いもかけない時間が流れた昨日のこと思い出しながら、
もう一度、ゆっくりと目を閉じるしかなかったのでした。

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皆、申し合わせたように、ゆっくりとした朝食を済ませた後、
簡単な別荘の後片付け。
Tさんが、ドアに鍵を掛けると、楽しかった三日間が終わりました。

初日と同じように、それぞれに分かれて自動車に乗り込みましたが、
ドアを閉めて車が動き始めると、
「順子の身体、今度は、ゆっくりとね」って、私の耳元で、Tさん、
私の手を握り絞めてきたことに、抗えませんでした。

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肌を合わせ、他人ではなくなったTさんとの、
これまでになかった新しい時間が流れ出すのでしょうか。
私は、そう、案じながら、繋がったその手に、そっと応えるしかなかったのです。

思いもかけなかった、時間を過ごした別荘での三日間。
初秋にはまだ早い色を見せる並木の道を、
そんな皆の、それぞれの思いを乗せた二台の自動車が、ゆっくりと走りだしたのでした。

無題


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