百万石まつりの夜11
2015.07.15 (Wed)
「昨日はお世話になりました。
えぇ、それがね、実は今しがた牧田さんから電話があってね。
そうなの、あのね、順子さんに、もう一度、逢いたいって。
駄目かしらねぇ」
私の街で、一番背の高いホテル、その最上階、スカイラウンジ。
お昼にはまだ少し早かったせいでしょうか、窓際での眺め楽しめました。
テーブルの前には、えぇ、牧田さんが。
昨夜と同じように、穏やかな眼差しで私のこと、見つめてくれてたんです。
「昨日の着物姿も素敵だったけど、洋服もいいね。
それに、こっちの方が、胸が豊かなの、よく分かるよ」
今日も、着物にしようかなぁって、思ったんですけど、
少し暑くなりそうだったんで、洋服にしたんです。
そうかもしれませんね。
少しの風にも裾が心配なほどの薄手のワンピースに、
ワイヤーの入ってないハーフブラにしたから、
胸の膨らみ、目立ったのかもしれませんね。
「ごめんね、無理に出てきてもらって、今夜は、仕事の付き合いがあるし、
明日は、もう、京都に帰るから」
「いえ、いいんですよ。昼間は時間がありますから」
「そうなんだ、だったら、食事済ませた後、僕の部屋で、ゆっくり、ルームサービスのお茶でも飲まない。
ツインの部屋だから、結構、広いし」
まあ、そんなこと、牧田さん、言ったんですよ。
そんなことできないわ、人妻の私が、男の人の部屋に伺うなんて、
きっと、お茶だけじゃ済まないこと、わかってるから。
って、そう思った瞬間、
触られてもいないのに、乳首、キューンって、硬くなって、
牧田さんの言葉に誘われるように、身体の芯、熱くなるのがわかったのでした。
私、そんな牧田さんの言葉に応えることができず、
仕方なく、私、穏やかな佇まいを見せる、良く晴れた街の景色を、
そっと、見下ろしたのでした。
その後どうしたかって、ふふ、ごめんなさい。
それは、ひ・み・つ なんですよ。
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