百万石祭りの夜8
2015.07.05 (Sun)
「良かったかい」
まぶたにくちびるを感じ、涙に潤んだ瞳を開くと、
私、そっと、頷いてしまっていました。
人妻でありながら、その瞬間は、それが、素直な気持ちだったのだと思います。
身体を繋げたままだったので、牧田さんが少しだけ身体を揺すっただけで、
私、たわわな胸揺らしながら、仰け反りました。
一度、その恐ろしく大きく、太いもので、強い悦びを教えられた身体、
それまで以上に、敏感に燃え上がっていたんでしょうね。
「離したくない身体だよ」
そう言うと、牧田さん、二度目の悦びに、私、誘うために、
ゆっくりと腰、突き出すと、二人にとって、桃色の永い夜が、また、始まったんです。
「このまま、出すよ」
後、僅かで、三度目の頂きに、昇り詰めようとしている時でした。
私、我に返ると、喘ぎながら、
「赤ちゃんが…。お願い、それだけはかんにんして」
そう、掠れた声で、言ったのに、
そんな私の言葉が聞こえないようにして、
逃げられないように、彼、私をそれまで以上に、強く抱きしめると、
えぐるように、腰、入れ込んできたんです。
身体を揺らしながら、糸を引くようなくちづけをしながら、
牧田さん、こう、言ったんです。
「僕たちの子どもを産めばいい。そして、一緒に、京都で暮らすんだ」
このまま、牧田さんのもの、身体の奥に注がれたら、
間違いなく、彼の男の人の液、私の卵、探し出して、二人の赤ちゃん、育みだしてしまうわ。
そうなってしまったら、
大好きな主人や子どもたちと別れて、
牧田さんと、昔馴染んだ京都の街で、暮らすことになってしまう。
そんなこと、しちゃいけないのに。
鴨川のほとりを歩く、二人の姿が、目に浮かびました。
私の胸元には、可愛らしい赤ちゃんが、
そして、その赤ちゃんを覗きこむ、牧田さんの優しい眼差し。
そんな人生が、今、始まってしまうのに。
でも、私の応えを待つまでもなく、
「ほら、たくさんあげるから」って、彼、それまで以上に、強く動き出したのでした。
駄目、それだけは、かんにんして。
そう思ったのに、私、激しく動き出した彼の逞しい腰に両手を添えて、
引き寄せるようにしてたんです。
えぐるような動きに応えて、悦びが迫っていることが分かりました。
そして、
「いいんだね」
そう曇った牧田さんの熱い言葉を耳元で聞きながら、
これ以上は無理だと思えるほど、太股を開き、その脚、彼の腰に絡めながら、
「あぁ、大好き」って、
人妻として、他の男性に言ってはならない言葉を叫びながら、
許してはいけない、夫以外の男の人の液、
このまま、迎えてしまうこと、許してしまったのでした。
「ほら、あれ、入れられたら女がどうなっちゃうか、
あなたも人妻だから、わかるでしょ。
旦那さんには悪いけど、一度知ったら、もう、身体が忘れられなくなっちゃうのよ」
そんな女将の言葉が嘘ではなかったこと、
その恐ろしいもの迎えてしまった自分の身体で、しっかりと、納得させられていたのです。
膝が乳房に触れるほど、太股を曲げられ、
彼のものの先が、子宮の入り口にねじ込まれると、
とうとう、熱い男の人の液が、注ぎ込まれ始めました。
あぁ、駄目ぇ、
けれど、その驚く程多量の牧田さんの液に誘わるようにして、
私、身体を仰け反らせ、嫌らしく腰を振りながら、
ためらいもなくその液、しっかりと、迎え入れてしまったのでした。
あぁ、熱い。それも、こんなに沢山。駄目ぇ、間違いなく、赤ちゃん、できちゃう。
けれど、訪れた、恐ろしいほどの悦びのため、
薄らいでいく意識の中で、
私、自分の身体の求めのままに許してしまうしか、
しかたがなかったのです。
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