赤ちゃんが欲しくて3
2014.11.10 (Mon)
二週間ほど前の夜、大学時代の先輩に電話を掛けました。
系列大学でサークルの部長をしていた先輩、
前にお話をしたことがある、私とって、初めての男の人です。
大学時代半年程、恋人と言ってもいい、間柄だった人、
ここ数年は、結婚など、私にもいろいろなことがあり、連絡もしませんでしたが、
今年年末に予定されている長野辺りでスキー三昧のOB会、
私たちの年次が幹事ということもあって、
親しかった私が、先輩のご都合を聞くことになっていたのでした。
「結婚したんだって」
女の人は、皆そうだと思うんですけど、
始めての男の人って、やっぱり、思い入れがありますよね。
始めて抱かれた夜、痛かったのは本当だけど、
そのことよりも、自分の身体を喜んでくれたこと方が、
女としては、嬉しかったことのように覚えています。
その時のことを書いた「初めての人2」はこちらからどうぞ ↓
「初めての人2」
それに、彼が大学を卒業するまでの大凡半年と少し間、
恋人のように、ずっと彼の傍にいました。
系列大学で、毎日ってわけではありませんでしたが、
彼のAPで過ごす夜、いろいろなことを教えられたのです。
けれど、私の身体が、彼の別れた恋人の代わりだったということが分かって、
波が引いていくように、少しずつ離れていきましたが、
それでも、彼。
私にとって、やっぱり大切な、初めての人なんですよ。
「今度、東京に行くんですよ」
松江の支店から、今年の春に東京に転勤になっていた先輩、
そんな彼に、そう言ってしまった私に、
食事して、ミュージカルでも観ようかって、言ってくれました。
主人のお仕事は、東京に着いた次の日の午後から、
夜は、懇親会があるからって、私、ゆっくりと時間がありました。
ホテルでの早めの昼食を済ませて主人を見送った後、
少し遠かったけど、ホテルから劇場まで見物がてら歩いていったんですよ。
劇場の前で、懐かしい笑顔が待っていてくれました。
恥ずかしそうに挨拶をすると、早速劇場内に、
予約してもらっていた席に着くと、そっと、手を握られました。
「綺麗なんだね、相変わらず」
耳に口を寄せられて、そう、言われたんです。
数年前の、私にとって、大切な時間。
始めて男の人のものを、自分の身体の奥に迎えた夜。
優しく、上手に、私を女にしてくれた、大切な人なんです。
女性の方、皆そうだと思いますが、
始めての人って、やっぱり、忘れられない人ですよね。
耳元でささやかれたそんな言葉にさえ、
どうしようもない揺らぎを、私、感じてしまっていたのでした。
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