地中海での過ち2 カクテルドレス
2016.10.21 (Fri)
後ろから、身体を寄せられ抱きしめられてました。
細い桃色の喘ぎが漏れる、唾液の引いたくちびるが、そっと離れると、
後ろから回された手のひらが、私の、カクテルドレスの胸元を開き、
素肌とブラの間から手のひら、滑るように差し込まれてきたんです。
「あぁ、綺麗なもち肌の胸なんだ、乳首も、まるで、処女のようだし」
乳房を持ち上げるように、柔らかな肌を揉み上げると、
けれど、そう言われて、摘ままれた桜色の乳首、その声に応えるように、
きゅんって、固く尖ったのが、自分でもわかり、
その快感のままに、
「あぁん」って、驚くほど甘い声、だんな様に聞かせてしまっていたのでした。
「ダメですよ、二人、戻ってくるわ」
胸元の差し込まれた手のひらに、自分の手を重ね、
身体を悶えさせて、やっと、そう、言ったのに、
いつの間にか、カクテルドレスの、背中のフックを外し終えていただんな様、
なぜだか、そっと、
「誰もこないよ、今夜は」
そう、言ったのでした。
脱がされた薄紫の薄いカクテルドレスが、猫足の上質な椅子の背もたれに掛けられ、
この旅行のために買った、ブラとショーツ、お揃いの黒の下着が、
だらしなく絨毯の上に、脱ぎ捨てられていました。
私たちの部屋のものより、一回りは広いダブルベッドの上で、
何も身に着けていないまま、寝かされてしまっている私。
その、広がった白い太ももの付け根で、
だんな様のくちびるが、ぴちゃぴちゃと、居たたまれない、濡れた音を立てていたのです。
そして、その音に絡み合うようにして、
私の、細い、恥ずかしい声と、濃い女の蜜の匂いが、
うっすらとした部屋の中に、漂っていたのでした。
女性の身体の扱い、知り尽くしているだろう、だんな様が、
その巧みな動きの舌先と指先を使って、私を、悦びの頂に導くのは、
他愛ないことだったのでしょう。
ほんの僅かな間に、彼のおもむくがままに、
彼のいやらしく見下ろす目の前に、
私、強い悦びの頂に、あえなく仰け反ってしまった裸体、見せていたのです。
激しい喘ぎに、胸を揺らしていた、私の頬に、
濡れた熱いものが触れ、くちびるをなぞりだしたこと、わかりました。
人妻として、夫との、そして、夫以外の男の人との営みの経験から、
男の人が、今、何を望んでいるのかは、分からないはずはありませんでした。
二つ目の枕を頭の後ろにあてがわれ、くちびると腰の高さを調整させられると、
目の前には、だんな様の、恐ろしいほど大きくした男の人のもの、
その先に、透明な液、だらだらと滴らせながら、
私のくちびるを狙ったようにして、近づいてきたのです。
頬を横に向けて、もちろん、抗いましたよ。
けれど、あご先に手を添えら、その、驚くほど熱く濡れたものの先で、
くちびるをゆっくりとなぞられたその感触に、
敢え無く、くちびると開き、とても、入りそうもなかった大きなそれ、
お口の中に、迎え入れてしまったのです。
「可愛らしい、小さな君の口が、いやらしい僕のもの、咥えてるんだ」
そう、満足したようにつぶやいただんな様、
私の口の中の温かさを楽しむように、ゆっくりと、腰、突き動かし始めたのでした。
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