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ボブとの再会

2015.04.18 (Sat)


大学生活に、少しずつ慣れてきた初夏のある日、
高校のクラスメートで、系列の大学に行った友人のみどりちゃんから連絡がありました。
お互い、新入生で忙しい毎日を過ごしていたせいでしょうか、
高校時代はあれほど親しかったのに、三か月振りの懐かしい声だったんです。

私も、叔父さんのところから引っ越し、アパートで初めての一人住まい。
講義や大学生活って、慣れないことばっかりでしたが、
毎日が楽しくて楽しくて、本当に充実した生活のスタートだったんですよ。

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それに、前にも書いたように、
桜の散る頃に、とうとう、男の人経験して、彼とのお付き合いも始まっていたのでした。

やっぱり、女としての身体が、男の人、欲しがってたんでしょうね、
彼のことを考えただけで、燃えるように熱くなる身体を実感してたんです。

それは、真面目に大学の授業を受けているときもありました。
一人住まいの台所で、サラダを作っているときもありました。
彼のことを、彼の男の人のもの思い出した瞬間に、
熱くなった秘唇から、滲むような蜜液を滴らせようとして、
そんな自分の身体の疼きに、目を閉じてしまうことがあったのです。

仕方のないことだと、そんな自分の女としての身体を許してました。
男性のこと知ったばかりの若い女の身体だから、男の人、欲しがるって仕方のないことだわ、
彼に抱いてもらうこと、何にも代え難い、幸せな時間だと思えたのです。

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「ほら、イギリスに行った時会った人たち、何人か私の大学に短期留学で来てるのよ。
 順子たちのこと話したら、ぜひ、逢いたいって」

前に書いた、高校時代のホームステイ先での友人たちのことです。
まぁ、懐かしいわ、数年ぶり、本当、逢いたいわね。
と、言うことで、みどりちゃんたちが、お膳立てしてくれたんですよ。

当日は、昼間にバーベキューを楽しんで、夜、薪能を見に行くことになりました。

懐かしい皆の笑顔に逢えて、話が弾みます。
三人とも、高校時代、私たち日本からのホームステイの生徒に出会ったことで、
日本に強い興味をもち、もともと、海外への留学をと考えていたので、
迷わず、日本を希望したとのことでした。

一年間の短期留学なんですけど、事前に勉強してたんでしょうね、
日本語も随分と上手になってて、驚いたんですよ。
逆に私たちの英語、全然上達してなくて、困らせちゃったわね。

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ボブのことも、印象強く覚えてました。
白人の多い、ハイスクールの中で、背の高いがっちりした黒人のボブ。
実家はロスアンゼルス、ハワイに別荘を持っているような裕福な家庭で育った彼、
日系人の乳母に育てられ、日本人の家庭教師に勉強を教えてもらったことが、
この街への留学を決めた理由だと話してくれました。

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とにかく、片言の日本語と、英語の混じりあう同窓会でしたが、
こうして、また、逢えたこと、皆、すごく喜んでました。

未成年なのに、昼間からお酒飲んでいい気持ちでしたが、
遅れると困るからって、施設のシャワーを浴び、
予定をしていた薪能の会場に向かったんです。

薪能の会場、まぁ、もう、人がいっぱい。
私の街にも能舞台があって、ときどき、お能見ることありましたが、
やっぱり、本場京都の舞台はそれ以上に素晴らしいロケーション、
舞台の両脇には、早々とかがり火、幽玄な雰囲気を醸し出してました。

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ボブの隣に座った私、不思議そうに舞台を見ている彼に、
お能の主人公には幽霊が多いことや、恋愛のお話もあることなど、
いろいろと教えてあげると、随分と興味を持って聞いてくれてたみたいです。

お能が終わった後、
あらっ、皆、どこにいっちゃったんだろう。
ボブも困った様子でしたが、もう、遅かったので、そのまま帰ることにしたんです。
神宮を出て、国立大学の横を通り、驚いたことに、ボブの家も同じ方向でした。
まぁ、彼の大学と私の通う大学、お隣同士、
そこの学生だった私たち、当然だったのかもしれませんね。

私のこと、送ってくれてると思ったのに、京都では当たり前の京町家の前に来たとき、
「ここ 僕の家、寄る?」
そう言われた私、正直言うと、ちょっとお手洗い貸してもらいたくて、
あっさりとうなづいたのでした。

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