奈良での夜6
2020.05.14 (Thu)
お互いの性器、お互いのくちびると指先で探りあうことも、
私から望んだことだったような気がします。
迎え入れる彼の男の人のもの、できるだけ、固く太くなってもらいたくて、
曇った声を漏らしながら、くちびるを窄め、舌を絡め、髪を揺らしました。
そして、そうしながら、愛液を滴らせながら、
うっすらと開いてきただろう自分の秘唇のひだと濡れた柔芽で、
彼のくちびると舌先が、ぴちゃぴちゃと音を立てるのを聞いていたんです。
何も身に着けない裸の腰に、手のひらが延ばされた時も、
望まれるままに、慌てるようにして膝をたて、白い背中を見せました。
彼の温かさが触れてくると、後ろから二人の性器の位置を探る彼を助けるように、
自分から腰、押し付けていたんです。
ずぶずぶと、あっという間に、根元まで彼のものを受け入れ、
恥ずかしい声を彼に聞かせ、彼の動きを助けるようにしながら、
髪を振り乱し、腰を振っていたのでした。
伸ばされてきた彼の掌が、持ち上げるように乳房を揉み上げ、
硬くなっていた尖った乳首、強く摘ままれても、甘い声を漏らしながら、
ただ、されるがままでした。
今はもう、他人ではない彼から求められることだから当然だし、
そうされることは、女としての努めだと思えたのかもしれませんね。
「このまま、いいんですね」
そう言って、それまで以上に、強く肩を抱きしめてきた彼。
そんな彼を、涙にぬれたまぶた、うっすらと開いて見上げると、
その言葉に、応えるように、くちびるをねだったのでした。
はっきりと安全な時期ではないようにも思いましたが、
けれども、何も遮るものがないまま、彼の若い男の人のしるし、
そのまま、私の身体の奥に注いでも構わないと、そう、主人が彼に言ったのだから、
今は、そのまま、受け入れるしかないと思えたし、
それ以上に、自分の燃え上がり、悶えるこの身体が、
どうしようもなく、彼の熱い精液を欲しがっていたのです。
髪を分け、耳元に吐き掛けられる彼の息遣いが、それまでにもまして熱く感じらると、
抱かれている男の人のしるしを注ぎ入れられる、女の務めとしてのその時が、
もうすぐそこまで来ていることが、感じられ、
私は、息を乱しながら、彼の逞しい腰を迎え入れていた太ももを、
さらに、開き、両手で腰を、手繰り寄せるようにして、
ぶつけるように、くちびるをねだったのです。
「あぁ、欲しいの」
「いいんですね」
「ちょうだい、たくさん、あなたの精子」
目のくらむような、恐ろしいような悦びに昇り詰めことがわかり、
その瞬間、彼の曇った声を聞かされました。
身体の奥に挿し込まれ、動かされた彼のものに、えぐるように何度か突かれると、
それまで以上に、太く、脈をうった、膨れ上がったものから、
私の中に、彼のおびただしい、
そして、若く熱いものが、とうとう注がれだしたことがわかったのです。
強く抱きしめられ、さらに強く押し付けられた彼の腰が、二度、三度、震え、
身体の中の男の人のものが、何度も、脈打つのが感じられました。
夫ではない、彼の若く熱い男の人の精子が、身体の奥を満たしだしたことがわかると、
その温かさに添われるようにして、声にならない泣き声をあげながら、
真っ白になるような、悦びの頂に、昇りつめていったのでした。