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奈良での夜3

2020.04.17 (Fri)


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その日の午前中、京都駅から奈良駅まで、彼に誘われるがままに、近鉄の特急に乗りました。
明らかに年下の男の人と並んで、恥ずかしそうに微笑んでいる私は、
他の人からは、どんな風に見えていたのでしょうか。
車窓の緑の景色を指さした彼、息遣いが、耳元をくすぐりました。

「ありがとうございました。無理を言ったのに、こうやって来てくれて」

もう、他人ではない、そんな彼の言葉に、
どう言っていいのかわからないまま、眼差しを落としましたが、
握られた手を、そっと、握り返したのが、彼の言葉への応えだったのでしょうか。

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思いもかけなかったパーティーで、初めて抱かれた夜。
背後から伸びてきた彼の両手に、いいように胸を揉まれ、
深く、しっかりと繋がりあった性器を、同じ部屋で抱き合っていた人たちに見られながら、
彼の荒い息と、私の泣き声を重ねあい、突き上げ続けられる身体を委ねたのは、
彼の情熱的な若さのせいだったのでしょうか。

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その若さに翻弄された私、求められたくちびるにも、抗うことなく応えていたのです。
そして、初めて会ったばかりの彼と、彼に求められるがままに、身体を繋ぎあい、
薄い膜越しだとは言え、彼の熱く若い精液を、身体の奥に迎えました。
自分の身体が、唯一大切な夫だけのものであることさえ、僅かも思い出せなかったのです。

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奈良駅に着いた後、誘われるがまま、
久しぶりの奈良の街、しばらく散策しました。

小さな私の日傘、彼が持って差し掛けてくれましたが、
二人の影が、重なり合うように石畳に差していたし、
成行きのままに、腕が絡み合い、
肘が、私の胸のふくらみを確かめるように押し付けられたこと、
それほど嫌ではありませんでした。

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途中の興福寺の国宝館では、千手観音など、たくさんの仏像を拝観しましたよ。
けれど、お祈りをしながらも、やっぱり、いたたまれなかったですね。
家族や夫のことをお祈りしながら、
その夫だけのものであるはずの、妻としての私の熟れた身体、
これから、若い彼の望むがままに、与えようとしていたからでしょうか。

もしかしたら、許されない夜を過ごすかもしれない旅館は、
明治時代に建てられた格式のある素敵なところだったし、
奈良公園側にある二人のお部屋は、調度品も歴史を感じる設えでした。

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「久しぶりの奈良だったから、楽しかったわ。ありがとうございました」
「だったら良かった。歴史が好きだから、奈良にしてみたんですけど」
「まぁ、そうなの」
「大学で、日本史を勉強したんですよ」

そう言いながら、窓の外の公園に目を向けている私に近づいてきた彼、
そっと、私の身体に、両手を絡めてきたんです。

「思い出すと、堪らなかったんです。順子さんのこと」
「あの時のことは、もう」
「忘れられないんです、それに」
「えっ それに?」
「今夜のこと、旦那様にも、許してもらってるんです」
「いや、もう言わないで」
「だから、今夜は、僕の好きなようにさせてください」

彼の腕の中から、上手に逃げ抜けるつもりだったのに、
耳元に熱い息を吹きかけられ、
自分の身体に回された両手にいくらかの力を思った瞬間、
身体の奥から、理性ではどうにもならない、
なにかしら、だらだらとした熱いものが流れ出してきたのが感じられると、
これからの時間が、人妻としての時間ではなくなってしまうこと、
そっと、目を閉じて、もう、諦めるしかなかったのでした。


このまま、抱かれてしまうのでしょうか。
そうも思ってしまった私の耳元で、熱い息の中で彼の曇ったような声を聞かされました。

「時間はたくさんあるから、それに、旦那様が教えてくれたんですよ」
「あぁ、何のこと」
「大丈夫なんでしょ」
「えっ」
「僕の精液、そのまま出して」

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