山城温泉2
2018.09.18 (Tue)
平穏なウイークデーの夜。
洗い物が終わって、リビングのソファーにいる主人の隣にいつものように座ると、
私の腰を抱き寄せ、耳元にくちびるを寄せてきました。
「Nさんが逢いたいって」
「だって,奥様の具合が悪いんでしょ」
「あぁ、それは、そうらしいけど」
「えっ! 何?」
「君と二人だけで、逢いたいって」
「困るわ、二人だけでお逢いするなんて、駄目よ、お断りしてくださいね」
そう言ったのに、主人たら、ちょっと乱暴だと思えるほど、
私のブラウスのボタンと、ブラのフロントホック上手に外すと、
目の前にこぼれ出た、今は、主人だけのものであるはずの乳房の谷間に、
息を荒げながら、顔、埋めてきたんです。
地中海や台湾旅行で、ご一緒にさせてもらったNさんご夫婦。
地中海旅行の後、すぐに、又、逢いたいって連絡いただいてたんですけど、
奥さまの具合が悪くて、結局、年末の台湾旅行になったんですよ。
ただ、皆さんには、お話してなかったけど、
実は、台湾旅行の前に、Nさんと二人だけで逢った、そんな時間があったんです。
リビングのソファーの上に、
着替えが入っただけの、小ぶりなトラベルバック、ポツンと置かれていました。
「あなたの傍に居たいわ。遅くないから、お断りして」
身綺麗に準備を終えた私を見ていた主人、急に後ろから抱きしめてくると、
「すぐに済ませるから」って、さっき、シャワーを使って身に着けたばかりのショーツ、
慌てて脱がせてきたんです。
二度三度と、大好きな主人のいつになく固いものが、
私の柔らかな扉をこじ開けようと、押し当てられてきましたが、
潤いが足りなくて、とても、受け入れられないと思えました。
「僕のものを残したまま、彼に逢いに行くんだ」
そう言われた私、諦めたように、もう一度、そっと、太もも、開いたのでした。
山城温泉は、私の街からそう離れてはいない温泉郷です。
北大路魯山人先生に縁のものも多く、人をお招きするには良いところがたくさんありますよ。
その時、Nさんから言われた旅館も、とても、有名なところです。
電車で行けば、それほど、時間は掛りませんが、
途中で、知っている人と逢うと困るからって、
主人が山城温泉近くの駅まで送ってくれることになりました。
あんな風に言われたけど、途中で溢れてきたら困るから、
身体の奥に出された大切な主人の印、お手洗いで、流してきたんです。
「あぁ、こんなにいっぱい」
自分の秘唇から、つうーって、滴り落ちる塊のようなまだ温かい液、ぼぉって、眺めていたのでした。
あんなにいっぱい出してくれるほど、私のこと、愛してくれているのに、
どうして、今、その私を、他人であるNさんに逢わせようとするのかしら。
すっかり、滴らせたつもりだったはずの、名残のものを身体の奥に感じながら、
逢ってはならないはずのNさんに逢うための私、助手席で目を閉じているしかなかったのです。
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