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よし君とのこと

2014.08.09 (Sat)

台風が心配な週末ですね。
皆様、いかがお過ごしですか。
こちらは、雨、風とも、今のところ心配なことはありませんが、
これから、お花の鉢とか、避難させようかなぁって思っています。
皆様、お気をつけて、お過ごしください。

さて、数年前の、お勤めを始めた頃のこと、
書かせてもらっています。
続き、読んでみてくださいね。


「Yさんから、息子さんとお付き合いしてくれるように、また、頼まれたの」
今夜は、ロースのお肉と、コンキリエッテのパスタ、それに、マッシュポテト。
美味しい、美味しいって、主人、喜んでくれて、
そんな話にも、いたって能天気で、
「ああ、この間、Yさんに仕事で会った時に頼まれたよ。」

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「食事して、お酒に付き合うくらいならいいけど」
「いいんじゃない、そのくらい」 
「けど、それだけじゃ、済まないかもしれないわよ」
「先輩にも、翁先生にも、仕事で結構お世話になってるからね」って、
コンキリエッテのパスタ、スプーンに山盛りに掬って、口に運びました。
やだ、それって、自分の仕事のために、私の身体、貢物にするつもり!

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「よし君、まだまだ、子どもみたいなもんだから。
 順子と何かあっても、なんとも思わないかもしれないなぁ」だって、
「いいの、へんなことになっても」
「順子が良ければ、僕は別にかまわないし、多分、へんなことになんてならないさ」

主人、Tさんとのことでは、けっこう、ギラギラした目だったのに、
ヨシ君のことでは、なんだか、拍子抜けなんです。
あら、これじゃぁ、二人のための刺激にならないいわね。
って、そう思いました。

それに、主人が言っていたように、
ヨシ君のこと、大人の男の人って思えないところがあって、
なんだか、まだ、子どものように感じていたことが、
正直なところだったんです。

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勤め始めて、暫くしたとき、
Yさんの部屋で、資料の整理をしているときに、
「順子さん、ほら、家内が、歓迎会のときに言ってた義則のこと」
「えっ ああ、私がお付き合いしてあげるってことですか」
「うん、そうそう、それ。家内が、順子さんの気持ち聞いてきてくれって言うんだ」
「ええ、私は、構いませんけど、何をすればいいんですか」
「いや、何をって、ほら、食事して、お酒飲んで…」
「それで」
「後は、順子さん次第さ、ご主人にも、また、頼んでおくからさぁ」
「私次第って、人妻なんですよ」
「うん、うん。わかってるよ。まあ、成り行きだよね」
「駄目ですよ、成り行きだなんて。
お食事して、お話をして、その後は、ちゃんと送ってもらいますから」
って、笑顔でそういった後、主人の言葉、思い出しました。

『先輩にも、翁先生にも、仕事で結構お世話になってるからね』

「もちろん、それで、構わないよ。 
あいつ、そんなことも、きっと、まともにできないんだろうけど」
 
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結局、それから、何度かヨシ君と、デートしましたよ。
未来の奥様のために、いろいろと教えてあげたつもりです。
素敵なレストランの選び方や、ロマンチックなお店での振る舞い、そして、会話。

最初のデートで、お仕事の時と同じ、地味なスーツで来たので、
早速、主人御用達の、仕立て屋さんに連れて行って、
上品なチェックのジャケットとスラックス、ワイシャツを採寸。
それに、アスコットタイもプレゼント。

私が、カードを使っていると、
「すいません、いいんですか」って、申し訳なさそうな彼。
「今度までには仕立て、間に合うから、楽しみにしてるわ」
もともと、Yさんに似て、長身で端正な顔立ちだから、
少しは、これで、見栄えも良くなるかなぁ。

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それから、女性とお付き合いするときの、大切な場所。
レストランでの食事のマナーも、ふふ、お勉強。
だって、何にも知らないんだもの。

お飲み物はって、聞かれてきょとん。
ワインリストを頼むのよ、って、教えてあげたのはよかったけど、
リストを開いて、ますます、困った様子。
ふふ、まぁ、それも、可愛いかったけど。

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それからも、何度かデート。
私が作ってあげたジャケットも、うん、素敵だったし、
フルコースも安心して、楽しめるようになりました。
ええ、なかなか、立派な紳士になってくれたと思いました。
この調子だったら、すぐに、素敵なお嫁さん候補ができるわ。

ヨシ君のお母さんから、何度も、お礼の電話がありました。
「お世話になりますね。順子さんのお陰で、
何だか最近は、女性とのこと、自信がついたみたい。
 お見合いのお話ししても、自分で見つけるからって、
ふふ、ありがとうございました」

デート代、ヨシ君から、随分と出してもらってたので、
そのこと、丁重にお礼を言ったんですけど、
逆に、オーダーしてあげたジャケットのお礼の後、
思いもしなかったこと、言われちゃいました。

「それが、あの子、女の人とまだみたいなの、どうしようかしら」
どうしようかしらって、そんなこと、私に言われても困るわ。
えっ、それって、もしかして、私がヨシ君の、初めての女性になってくれってこと!

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「変な女の子に捕まったら困るし、男の子は大変だわ、慣れてないと。
 ねぇ、順子さんみたいな人だったら、安心なんだけどねぇ」

やだぁ、へんなこと言わないでよ。
「それに、順子さん、そういったこと、上手そうだし」
ばかぁ、知り合いの息子さんのお相手をするなんて、
出来っこないじゃない。

「いろいろ、お願いよ」
お話は、それで終わったんだけど、
ヨシ君も、そんな目で、私のこと見てたんでしょうか。

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