神戸の夜
2019.09.02 (Mon)
恐ろしいような快感に、何も身に着けるものがない、白い裸の身体を仰け反らせ、
声にならない声を、叫んでいました。
それは、Nさんの太く固い男の人のものが、身体の奥にまできしむようにして届いたこと、
正直に告げた瞬間でもあったのでしょう。
脈を打つ彼のものをゆっくりと締め付けながら、
懐かしい匂いのする唾液、
むしろ私の方から求め、啜り飲んでいたようにも思えました。
こうして、しっかりと身体を繋ぎあう、久しぶりのNさんとの時間。
地中海旅行で、始めて身体を開き、彼の熱い精液を身体に注がれてから、
まるで、恋人のように、まるで、愛人のように、
夫ではない彼に抱かれること、許し続けていたのです。
「あぁ、欲しい、あなたのもの。お願い、中に出して、お願い、たくさん」
そんな、夫にしか言ってはならないはずの人妻の私の言葉に応えるように、
それまで以上に強く突き入れられた男の人のものから、
おびただしい、夫ではない彼の、熱いしるしが吹き出すと、
私、諦めたように、瞼を閉じながら、
身体の奥にだんだんと広がる温かさ、薄らぐ意識の中で感じていたのでした。
何か、叫んだような気がして、うっすらと瞼を開くと、
傍らで眠る夫を起こさないように、そっと、ベッドから離れ、
カーテンを僅かに、開いてみました。
どんよりとした鉛色の雲が覆いつくした古都の空、
目の前の、京都タワーに目を向けながら、そっと、胸に手を添えたのです。
もう、あってはならないはずのNさんとの営み。
今回、そんなことはないようにと、心配していたのに、
正直な私の身体、そんな夢の中の出来事、求めていたのでしょうか。
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