山城温泉5
2018.10.10 (Wed)
「もう、お願い、かんにんして」
数え切れないほど、悦びの頂に昇り詰めました。
どうか、なってしまうかもしれないって、そうも思えるほどでした。
身体の相性って、あるんでしょうね、
もう、無理だって思っても、改めて身体を繋ぎ合うと、
それまで以上に、目もくらむような悦びを感じさせられていたんです。
「月に一度は、こうして逢いたいね」
身体を揺すられ、舌先を絡め合いながら、そう、言われました。
息も絶え絶えに、彼の逞しい腰の動きに太ももを開かれ、
恥毛を絡ませ合いながら、それでも、彼の背中を両手で引き寄せながら、
また、襲ってくるだろう悦びの予感を感じている時でした。
そんなこと、できるはずもないのに、しちゃいけないのに、
そう、思いながらも、こうして、彼から教えられた身体の悦びから、
逃れられるのか、自分でも不安さえ感じ始めていたのです。
「あなたの、愛人にしてください」
もしかしたら、そう、言ってしまったかもしれません。
夫には内緒で、いえ、もしかしたら、夫にも公認のうちに、
定期的に、喜んで彼に抱かれるために、逢瀬を重ねるような関係になってしまう、
そうなるかもしれない、そう、思えたんです。
少しずつ、動きの速くなった彼の腰を、迎えるように両手で引き寄せ、
近づいてきた桃色の頂を、身体の望むがままに迎えようとしていたのでした。
午後に、一度、私の中に済ませてたけど、
夜、永い時間、私のこと、抱いていたせいでしょうね、
Nさん、いつになく、堪え性をなくしていました。
覆い被さったまま、重なり合ったお互いの胸の隙間から、差し込んできた手のひらで、
私の乳房の柔らかさを楽しみ、腫れるほど吸い続きけていたくちびる、
唾液の滴らせながら重ね、息遣いを荒くし始めていたのです。
「たくさん、あげるから」
耳たぶを甘噛みされながら、熱い息遣いの中でそう言われた私、
人妻でありながら、夫ではない彼の首に両手を絡め、
私、覚悟を決めたような大きな息をひとつすると、驚いたことに、そっと、二度、頷いていました。
そして、その瞬間を思い浮かべながら、ふたりが、一緒に悦びの瞬間を合わせられるように、
腰、浮き上がるように擦りつけてしまっていたのです。
彼の曇った唸り声と、それまで以上に力の感じられた、私を抱きしめていた腕が、
その時を告げていました。
私の身体の一番奥に、膨れ上がった彼の男の人のものが、
彼のしるしである熱い精液、脈を打って注ぎ入れ出したのです。
そして、それにに誘われるようにして、私の肉壁が、そんな彼のものを、
上手に絞り出していることがわかると、
泣き声を聞かせた私、目も眩むような悦びの頂に、昇り詰めていったのです。
何も身に着けない姿のまま、彼の胸に抱き寄せられ、その夜を過ごしました。
茜色の淡い灯りが、裸のふたりを照らしていて、
時折り、思い出したように、彼の慣れた手の平が、
私の、さらさらとした肌触りの乳房、そっと触れていたんです。
昨夜のことを、思い出していました。
おびただしい液を注ぎ入れられ、麻痺の治まらない私から、身体を離そうとした彼、
なぜだか私、その背中に廻していた両手に力を込めて、息を荒げながら抱き寄せていました。
まだ、身体の中で繋がっている彼のもの、離したくなかったんでしょうね。
夫との間に赤ちゃんが欲しかった新婚のころ、大切な男の人のしるし、一滴残らず欲しくて、
両膝を胸に付くほど折り曲げられ、繋がったその姿のまま、
ずっと抱いてもらうこと夫にお願いしたこと、よくありました。
溢れるほど注がれた、大好きな夫の温かな液が、
身体の一番奥の、更に深いところにまで伝い流れることを感じながら、
それは、涙の出るような幸せを感じた時間だったんです。
自分の身体から、離れようとした彼を、思わず抱き寄せてしまった私、
その時の私にとって、夫以上に、離れられない大切な人だったのかもしれませんね。
「ああん」
硬さを失わない彼のものが、ヒクついてただろう私の秘唇からそっと抜かれると、
小さな艶めかしい声を漏らしましたが、
彼の手、ゆっくりと私の白い太もも、開いたんです。
身体を走る麻痺に震えながら、顔を上げると、両膝の僅かな隙間の向こう側に、
携帯電話を持って、私の両足の間を覗き込んでいる彼が見え、
その途端、もう一度、全身を襲った、
自分ではどうしようもない、悦びの名残の麻痺、
同時に、薄っすらと開いていただろう、恥ずかしい秘唇から、
納めきれなかった、今しがた彼から注がれた、塊のような男の人の精液が、
どろりと、伝い流れ、後ろの方にまで、つうって流れ落ちたのが感じられました。
気持ちのおもむくがままに、私と身体を繋ぎ合い、男のしるしたっぷりと注ぎ、
その証を、今、目の前にした彼。
いつまでも鳴り続ける、携帯電話のシャッターの音、
私は、潤ませた目を閉じながら、我慢して聞くしか無かったのです。
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