城崎旅行4
2018.05.30 (Wed)
主人一人だと思っていた部屋に戻り、襖を開けると、窓際の縁側に、
主人と奥様の姿がありました。
「早かったんだね」
濡れた唇で、そう、奥様の身体を自分の後ろに隠すようにして言った主人、
何かしら慌てているようにも感じたし、
奥さまの後ろ姿、浴衣の重ねを直しているようにも見えたんですよ。
随分と陽が落ちた夕暮れの淡い光微かになり、
川面を、そして、温泉街の街並みを、少しづつ薄墨色に染め始めていて、
そこに、茜色の電灯が浮かんでいました。
志賀先生が何度も滞在されたことで有名な「三木屋」さんの角から、
細い路地にを通り抜けると、
細くなった大谿川に、所々に小さな石橋の掛る細道に出ましたが、
自動車の行き交う本通りよりも、こちらの方が、更に風情があって素敵でしたよ。
温泉で温まった身体を包む浴衣姿に、夕暮れの涼風が吹き抜け、
満たされた気持ちを感じていました。
散歩を終えると、さぁ、楽しみしてたお夕食、メインはもちろん、紅ズワイ蟹。
香住魚港から直送の紅ズワイ蟹を、特に香住蟹って言うんですね。
浜茹・しゃぶしゃぶ・焼き蟹・甲羅焼の他にも、雑炊とか、お肉とか、
美味しく、食べ切れないほどでしたよ。
お酒は、地酒の「香住鶴」、独特の風味があって、えぇ、とっても、美味しかったですけど、
隣のNさんから勧められて、駄目、飲みすぎちゃったみたい。
そんな私の膝に手のひらを這わせて、Nさん、嬉しそうに笑っていたのです。
「お飲み物はいかがですか」
夕食を済ませた後、温泉街の散策を終えて戻ってくると、
綺麗な女将さんが迎えてくれ、フロントの横にあるソファーに案内していただきました。
「ロープウェイに乗られた後は、『城崎にて』で書かれたイモリの場所を尋ねられたらいいですよ。ちょっと、歩きますけどね」
なんて、次の日の散策の、相談にのってもらってたら、
「お飲み物、お持ちしました」
って、ハンサムな青年が、冷たいカクテル、持って来てくれました。
「ほらっ、駄目でしょ、そんな突っ立ったまま、それに、片手でなんて」
そんな女将さんの言い方に、ちょっと、びっくりすると、
「次男坊なんですよ」って。
跡取りの長男さんは、大阪で料理の修行中、次男の彼は、京都の大学でお勉強中、
時折、帰省した時は、
こんなして家の手伝いをしてくれてるとのことでした。
「旅館の息子が法律勉強したってしょうがないって言ったんですけどね」
そう言った女将さんでしたが、笑みがこぼれて、本当は嬉しそうでしたよ。
幼さが残るような端正な顔立ち、背の高い、清潔そうな男の子でした。
男の人にしては、細いパパの指先が、
私の最も女らしいひだを、ゆっくりと開くと、
しとどに濡れそぼった柔芽に、ぞろりと舌が触れてきました。
その舌先をもっと欲しくて、白い太もも、自分から開くと、
やるせない甘い声を漏らしながら、腰、うねらせていたんです。
溢れるほどの愛液を啜る音を聞かせられながら、
幾らもしないうちに、腰が跳ね上がり、身体を震わせ、悦びの頂に昇り詰めたんですよ。
身体の麻痺が治まらないうちに、もう一度、太ももの付け根に顔を埋めようとしたパパに、
私、潤んだ目で見上げると、すぐに欲しいこと、微かな声で告げていました。
堪らなく欲しかったパパの大好きなもの、溢れるほど滴らせた愛液の中で、
私の身体の奥に届いたことを感じると、それだけで、鋭い悦びを感じた私、
パパの背中を抱きしめ、嫌らしく腰、擦り上げ,
幾らもしないうちに、二度、悦びを告げました。
尊敬する志賀直哉先生のゆかりの素敵な街を散策し、美味しい蟹を頂いて、
そして、大好きなパパのもの、身体に奥に迎えて、
やっぱり、これ以上なく、こころも身体も、満たされていたんでしょうね。
「出されたのか」
それは、先ほど、パパたちが居なくなった後の家族風呂での、
Nさんと私の間で流れた時間を尋ねたことに他なりませんでしたが、
大丈夫ではない日なのに、夫ではない男の人の印、
身体の奥に迎え入れたのかもしれない妻。
何も応えないで、パパの首筋に顔を埋めたままのそんな私に、
もしかしたら、パパ、感じてしまったのでしょうか。
急に息を荒げ、それまで以上に激しく腰、突き入れてきたんです。
「あぁん、パパ、今日は駄目。お口にお願い」
私、大きな柔らかな枕ふたつうしろ髪に当てると、慌ててその時の用意をしました。
月の内、パパの大切な液、身体に迎えられない数日は、
そうして、満足したもらってるんです。
「あぁ、もう」
焦ったような曇った声が聞こえると、
私の身体に跨ったパパ、
慌てるようにして抜き出した愛液にまみれたそれ、近づけてくると、
私、頬ずりもしないままに、お口に含みました。
それと同時に、塊のような、驚くほどたくさんの大切なパパの液、
膨れ上がり脈を打つものの先から、音を立てるようにして、打ち出されてきたのです。
一滴も零すことは妻である自分にとって、ひどく耐えられないことです。
お口の中に溜まった大切な液、喉を伝って、
そして、身体の中に浸み込んでいくのでしょうか。
大好きなパパに染め上げれることって、こんなことだと思うし、
妻である私にとって、ひどく、幸せな気がするんです。
喘ぎながら、大好きなものの中に残っているかもしれない、
大切な名残の液、音を立てて、吸いたてていました。
パパ、そんな私と目を合わせながら、ゆっくりと髪、撫ぜてくれていたんです。
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