城崎旅行3
2018.05.23 (Wed)
「じゃ、こっちは、先にあがるから」
そう言うと、主人、奥様の肩にちょっと触れると、申し合わせていたかのようにして、
二人揃って、立ち上がったのでした。
えっ、そう思って慌てましたが、
「僕たちは、もう暫くいいじゃなか」
主人たちの後姿が、湯殿のドアの先に見えなくなると、
それまでにも増して、身体を近づけたNさん、
そっと、私の肩を抱き寄せると、
髪を分けるようにしたくちびる、首筋に触れてきたんです。
「君のこと、思い出す度に堪らなかったよ、この肌、この胸」
そう言いながら、彼の広い手のひら、私の身体を這い回りだしたのでした。
「駄目ですよ」
そう絶え入るように微かに言った私、
けれど、女って弱いですよね。
一度身体を許してしまっていた、もう、他人ではないNさんのこと、
しっかり拒むこと、出来なかったのでした。
尖った乳首を指の間で挟まれ、
その鋭い甘い快感に首筋を仰け反ったのを見計らったように、
巧みにくちびるを奪われると、
ぞろりと滑り込んできたNさんの太く長い舌先。
そして、どろりと懐かしい匂いのする唾液、注がれ飲まされたのです。
桃色のものが頭を多い、恥ずかしい喘ぎ声を漏らしていました。
既に、私の最も女らしい溝を知っている彼の指先が、
上手に柔芽を探しだし、緩やかに摩り始めました。
思わず、彼の首に顔を埋めた私、
彼の指の誘いのままに、甘い声、漏らしてしまっていたのです。
彼の太い二本の指が身体の中に入り込み、そして、広がりながら動き出すと、
驚くほど僅かな時間で、身体を強い麻痺が襲い、
そんな私の姿笑みを浮かべ見下ろす彼の望むままに、
悦びに昇り詰めることを告げながらも、
その強い快感に恥ずかしい声を出してしまうことが怖くて、
私の方から彼のくちびるに、吸い付いてしまっていたのでした。
荒い息の治まらないまま、舌を絡ませながら、
引かれるままに、彼の男の人のものに、指を絡めていました。
それは、地中海の船の中で、街のホテルの部屋の中で、
幾度となく、私を狂わせた、あの逞しい男の人のものに他なりませんでした。
台湾で、心配したこともあったけど、
あぁ、この街で、自分の身体が、もう一度、彼のもの、受け入れること、
息を弾ませながら、観念させられたように思ったのです。
「さぁ、あの時みたいに、可愛い声聞かせるんだよ。すぐに済ませるから」
そう言うと、Nさんに抱きあげられ、
湯殿から立ち上がった私の片足を湯船の淵に付かせると、
下から嫌らしく、腰を摩り上げようとしたんです。
今しがたまで、彼の指を迎えていた秘唇には、
そんな彼のものを、迎えるための、透明な蜜液、滲んでいたのかもしれませんね。
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