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小舟の行方 8

2017.11.11 (Sat)


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耳たぶを、首筋を、肩を、背中を、そして、背中や腰のくびれを、
ゆっくりと這い回る彼の手のひらに、仰け反りながら、甘い声を聞かせてしまっていたし、
身体の前に回された彼の両手が、
持ち上げるように揉み上げる両胸から、少しずつ沸き上がる桃色の快感に、
思わず彼のくちびる、振り返りながら求めてしまっていたのでした。

このまま、ここで、彼の望むままに、身体、繋げてしまうのかしら、
懐かしい男の人のもの、あの時と同じように、身体に迎えてしまうのかしら、
そして、最後には、彼の男の人のしるしを、奥に。

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身体を這い回る彼の手から与えられる快感とお湯の温かさに、
朦朧としながら、もう、諦めようとしていました。

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「あぁ、我慢できなくなりそうだ」
そう言うと、ゆっくりとお湯から立ち上がった彼、
自分の方に向かわせた私の顔に、自分の腰、近づけてきたんです。

髪に彼の両手を感じると、喘ぎのために濡れたくちびるに、
彼の燃え上がるように熱い男の人のもの、そっと触れてきたことが分かり、
そして、少しずつ、私のくちびるを押し開き始めたのでした。

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それは、これまでの永い彼との身体のお付き合いの中で、
初めてのことではありません。

夜の兼六園の黒い松の陰で、驚くほどおびただしい彼の男の人の液、
彼が満足するまで、お口の中に注がれたことがあったし、

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夫に言われるがままに、
彼と、他人ではなくなる初めて夜を過ごすため、
ふたりだけで訪れた宇奈月温泉の宿の寝具の上で、
いよいよ、彼の望んでいたその時、
白い太ももを開き、秘唇を濡らしながらも、ひどく泣きじゃくる私を案じ、
自分の温かな液、何度も飲ませることだけで我慢してくれたこともありました。

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「夜まで、時間はあるから、一度、飲んでくれる、あの時みたいに」

私のこと、気を失うまで悦ばせてくれたこともある、彼の男の人のもの、
一度、お口の一番奥にまで、ゆっくりと入ってくると、
私、少しむせながらも小さく頷き、言われもしないのに、舌を絡め、
彼の腰を両手で引き寄せるようにして、髪を揺らし始めていたんです。

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