よし君とのそれから2
2014.10.04 (Sat)
朝方の涼しい風が吹きぬけ、気持ちの良い時間でした。
下の娘を幼稚園バスに乗せた後、
ゆっくりと自宅に向かう、少しだけ上り坂の、住宅街です。
家の近くの角を曲がったところで、
あらっ、自宅の駐車場に、よし君の自動車が停まってるわ。
「おはよう、何か御用かしら」
私が出勤する明日、書類をひとつ作って持ってきてもらいたいとのこと、
それはかまわないけど、けど、それって、明日でも遅くないんじゃない。
「朝ごはん、食べてきたの?」
リビングに通すと、飲み物を準備しながら聞いてみたけど、
まだって言うから、簡単な朝食を出してあげたんですよ。
両親とは離れての、マンションでの一人住まい、
きっと、ちゃんとした朝ごはん、食べてないんだろうなって、言ってみたんです。
ブロッコリーとレタスのサラダ、トーストには、バターと蜂蜜をたっぷり。
目玉焼きふたつと、かりかりのベーコンを四枚、そして、オレンジジュースに牛乳。
美味しそうに平らげてくれたヨシ君の前に、
コーヒーを置きながら、きっと私、嬉しそうに微笑んでいたと思います。
その濡れたくちびるで、私を喜ばせてくれたのね。
コーヒーカップをソーサーに戻して、
満足そうにしているよし君のこと見ながら、
気付かれないように、私、そう思ってたんです。
身体を繋ぎ合わせ他人ではない男の人に、
ささやかではあるけど、手作りの料理食べてもらう喜びって、
夫のときと同じように、やっぱり、女として嬉しいものですよね。
「書類は、大丈夫ですよ。明日朝には、お渡しできるから」
椅子に掛けてあった背広を、彼の肩に掛けながらそう言って、
玄関先まで送ろうと、背中を見せたと同時に、
「この家での順子さん、見てたら」って、
息を荒くした彼に、ぎゅって、抱き寄せられたのです。
もとちろん、私、強く抗いましたよ。
すでに、彼と数回の営みの時間を過ごしていることは、
まぎれもないことだったし、
人妻の顔に戻ったときでさえ、突然、よし君とのこと思い出して、
身体を熱くしてしまうことも、正直、本当だったんです。
けど、この場所は、主人と私の大切な場所だってことも間違いなく、
そこで、よし君の思いを受け入れることは、到底、できることではなかったんです。
けれど、私のそんな気持ちよりも、
よし君の私を求める気持ちの方が、勝っていたんでしょうね。
抱きしめられたまま、リビングのソファーに運ばれると、
あっと言う間に下着を脱がされ、耳たぶを噛まれながら、熱い息の中で言われたんです。
「すぐに、済ませるから」
ブラウスもスカートも、エプロンさえまだ身に付けたまま、
身体をつなげる為に、下着だけを脱いだ恥ずかしい姿でした。
そんな私に後ろから身体を被せて、
きしむようにして、驚くほど熱いものを入れようとしたんです。
潤いが足りなくて、少しだけ、痛みさえ感じたのに、
彼のものを迎えるために私は少しだけ太ももを開いて、その動きを助けてました。
そして、二度三度、身体を突かれているうちに、
奥から湧き出し愛液に助けられた彼の硬くなっていたものが、
思い通りに、私の身体の一番奥にまで、届いてしまったんです。
始めからの強い突きに、手を当てて遮ろうとした桃色の声が、
その動きに合わせるようにして、私の口から漏れ続き、
もう、慣れ親しんだといってもよい、彼のものの動きに、
私の方が先に、悦びの頂を引き寄せようとしていました。
「一緒に」って、かすれる様な声で言ってしまったのは、
驚いたことに、私からでした。
目の前に迫ってきたその瞬間を、同時に迎えること求め、
両手を当てられた腰を、
自分の方から彼の腰に突き当てながら、よし君の射精を求めたんです。
そして、自分の方から、後ろを振り向くと、
慌てるようにして、よし君のくちびるを求めたのでした。
僅かな時間だったと思います。
待ち望んだ強烈な悦びが私を襲ってきたと同時に、
彼のものを、自分でも分かるほど身体の奥が強く締め付け、
そこに注ぎ込まれだした熱い液を感じながら、
髪を振り乱し、激しく腰を揺さぶると、
遂に迎えた真っ白な悦びの頂に昇り詰めていったんです。
見送るとき、よし君、まだ、名残惜しい私の身体を抱きしめ、
なかなか放してくれなかったんですよ。
ほんの数時間前、大好きなパパを見送った玄関で、
よし君の求めるままにくちびるを重ねあい、
二人が満足するまでの永い時間、喘ぎ声を漏らしながら、
お互いの唾液をすすり合っていたんです。
思い出すと、その頃の私、
よし君のこと、
もう、忘れられない身体にされていたのかもしれませんね。
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