地中海旅行 出港
2016.09.02 (Fri)
「なんて、いやらしい身体なんだ」
そんな熱い息が、甘噛みをされていた耳たぶに曇って聞こえてきました。
カーテンが開かれ、バルコニー越しに部屋の中に淡く差し込んでくる、
地中海のうっすらとした夜の海の光が、
自分の裸体を、僅かに染めているようにも思えました。
聞こえなければよかった、そんな言葉に応えることもできないまま、
私は、ただ、激しく胸を震わせるしかなかったのです。
恥ずかしくて隠していた両手が、強引に引きはがされ、
部屋の暗がりの中にも白くこぼれでた乳房を、
それまで、首筋や肩口を這っていた彼の手のひらがやんわりと包みました。
そして、ゆっくりと、その柔らかさと張りをしばらく楽しみながら、
私に、甘い喘ぎ声をあげさせると、
その両手が太もものひざの裏側に触れてきたのでした。
見下ろされている痛いほどの視線が分かるようでした。
最愛の夫にしか見せてはいけない、何も身に着けない産まれたままの姿を、
今、彼の求めるがままに、開いていたのです。
彼との肌の距離が、更に近づいた気配がすると、
今は、滲ませてはならない、
男の人を迎えるための愛液に満たされた最も女らしい溝に、
彼の驚くほど熱い男の人のしるしが、こすり付けられたのが分かりました。
「いやっ! かんにんして」
「欲しいんだろう、ほら、こんなに濡らしてるじゃないか」
夫ではない男の人に抱きしめられ、
そして、その男の人のものが、今、自分のものに触れてしまったというのに、
確かに、言われたように、女としての自分の身体が、
もう、直に、営みを始める準備を済ませようとしていたのです。
さっきまで、揉みあげられていた乳房に触れるほど、
膝の後ろに当てられた彼の両手に太ももが折り曲げられ、
そして、押し広げられました。
夫との永い営みでの時と同じように、
混じり合う、おびただしい、二人の愛液に助けられながら、
彼のものが、おびただしく濡れた恥ずかしい秘唇を押し開き、
ゆっくりと私の中に入り込み始めたことが分かると、
私、諦めたように、ゆっくりとまぶた閉じたのでした。
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