M先生とのこと7 納涼床
2017.02.17 (Fri)
「納涼床にでも、行こうか」
そう、先生が言われ、コーヒーカップに口を付けられました。
先生のテーブル越しに座っていた先輩、
「いいですね、って、高いから、我々学生にはちょっと無理かなぁ」
「いいよ、出してあげるから、山陰に行くメンバーに、声、掛けてくれないか」
「ええっ、いいんですか。そりゃあ、断る奴なんていないですよ ねぇ」
本当に嬉しそうな笑顔の先輩、私の方に、端正な顔、向けたんです。
教授室で、島根への旅行の打ち合わせをしている時のことでした。
納涼床、京都の夏の光景として、有名ですよね。
私も、叔父さんたちに連れられて、時々、行ってました。
鴨川沿いのホテルの前に造られた納涼床、
夕刻、川面からの涼しい風に吹かれて、美味しい京料理をいただきます。
でも、先輩が言ったように、ちょっと、お値段が。
学生には、敷居が高いですよね。
先輩、皆に連絡してくれて、週末に行くことになったんですよ。
あぁ、それから、先生のご希望で、皆、浴衣で来るようにってご命令でした。
奢ってもらうんだから、仕方がないわね。
でも、皆と違って、私、下着を着けないで行くのかしら、
やだぁ、心配だわ。
浴衣、叔母さんに連絡すると、取りにくるようにって。
昔、ミスなんとかに選ばれたことがある叔母さん、
私と同じくらいの身長で、着物、よく借りてたんです。
「順ちゃんは色が白いから、濃いめのが良いわね」
って、朝顔の柄の紺色の浴衣、黄色の帯を用意してくれてました。
良かったわ、もし、白地で透けたりすると、下着、付てないの、わかっちゃうから。
「簡単でいいから髪は上げるのよ、それから、髪飾りもつけなさい」
昔から、叔母さん、着物にはうるさくて、
お陰で私、振袖なんかも、自分で着付けできるようになりました。
シャワーを浴びて、浴衣、着ました。
姿見に映る、裸の私。
白い肌、括れた腰、そして、豊かな乳房。
自分でも言うのもおかしいけど、綺麗だと思えました。
先生が、少しでも私のこと振り向いてくれるように、もっと、もっと、素敵になりたい。
たわわな乳房、組んだ両手でそっと持ち上げると、そんなこと、思ったんです。
下着、随分と迷ったんですが、先生から言われてるようにしました。
叔母さん、着物用の下着も、準備してくれてたんですけど。
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