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犀川のほとりで2

2021.08.02 (Mon)


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暫く、縁側の籐の椅子に腰を下ろし、
まだ、ちょっと涼しすぎるとも思える夕風に当たっていましたが、
幾らもしないうちに、バスタオルを腰に巻いただけの彼、戻ってくると、
私を抱き上げたのです。

「本当に、そんなつもりじゃないんだから。ご飯だけだって…」

でも、そう言った私のくちびるに、懐かしい匂いのする彼のくちびるが重なってくると、
舌先が、私のくちびるをなぞり、
急に息遣いが乱れ、その舌先に、少しづつ開かれたくちびるに、
彼の舌を迎え入れてしまっていたんです。

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私のことを信じて、ここに来ることを許してくれた、
そんな夫の待つ家に、何もないままに戻ることが、
人妻としての努めだと、さっきまで、思っていたはず、
けれど、ほんの数秒、彼のくちびるが触れ合っただけなのに、
まるで、堰が切れたように、昔の感情が、身体中に湧き上がってきたのでした。

「いけないわ」
「逢いたかった」
「奥様に、悪いわ」

そう言いながら、抗わなくてはいけなかったのに、引かれた手に、
バスタオルの間から突き出てきた彼の、懐かしい熱く脈打つ男の人のもの、握らされると、
もう、それだけで、人妻としての貞操に薄っすらとした霧が繫り、
代わりに、燃え上がりだした身体の求めに、桃色の声を正直に漏らしてしまったです。

「キス、上手になったでしょ」

少し、歳を取ったのかなぁ、でも、あと時と同じような端正な顔立ちが、笑顔でそう言うと、
私、分かってもらえるように、はっきりと、頷いたのでした。

今夜、こんなことになるとは思ってもいませんでした。
今朝、夫を送り出す時も、玄関のドアに鍵を掛けて、家を出る時も、
その時と同じ自分が、当たりまえのまま、帰宅するだろうと思っていました。

けれど、そうではない私も、いたのかもしれません。
お昼過ぎに、簡単にシャワーを使った後、身に着けた下着は、
いつものものに比べると、なぜだか、少し恥ずかしい、
胸の膨らみが目立つ、黒くセクシーなものだったし、
同じ黒いショーツに片足を通すとき、
よし君の笑顔、思い浮かべてしまった自分に、驚いてもいたんです。

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おとがいに指を当てられると、改めて、くちびるを求められましたが、
その時には、もう、私の方から、息を荒げ、彼のお口の中に、舌先を差し入れると、
慌てるようにして、彼の舌、絡め吸っていました。

抱きかかえられるようにして、重なり合ったまま、
和室だろうと思えた隣の部屋の襖が開けられ、
そこに敷かれている、贅沢な二組の寝具を見せられることになったのです。



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