ひろしとのこと5 ビューサンセット
2019.02.08 (Fri)
日本海の夕焼けが素敵な、ビューサンセットは、
能登半島の西側にあるお料理の美味しいことでも有名なホテルです。
人目もあるから、私をは電車に乗って、
いつもとは別の駅の駐車場で、彼に拾ってもらうことにしたんです。
能登の有料道路を快調に走り、途中のICで降りた後、
左側に日本海を眺めながらのドライブ。
BGMはショパンでした。
快晴の海は、見事な眺めでしたが、
夫ではない人と過ごす時間、
やはり、人妻である私には、空のようには、晴れやかではありませんでした。
「私、先に行って、お昼寝しとくから。順子たち、後からおいでよ」
「えっ、それって、困るわ」
「いいじゃない、別に」
そう南さんに言われ、行くことにしてしまった、
彼との、昼食を兼ねたドライブだったのです。
「まぁ、立派な部屋ね、見て、日本海が一望よ」
「特別室、奮発したんだ」
「悪いわね、それに、お部屋でお食事なんでしょ」
「あぁ、夕食、予約してあるから」
「あらっ、南ちゃん、お昼寝してるって言ってたけど」
そう言って、ふたつあるダブルベッドを覗いてみたんですけど、
やっぱり、いないわ。
「あいつはこないよ」
「えっ、だって、南ちゃん …」
けれど、思いもかけない強い力で抱き寄せられると、
言葉を続けようとしたくちびるに、彼のくちびるが重なり合ってきたのです。
「駄目よ、そんなつもりで来たんじゃないわ」
「いいだろう、この間の続き」
そう言うと、もう一度、濡れたくちびるが触れてきたんです。
驚くような成り行きだったはずなのに、
舌を吸われると、思わず甘い声を漏らしてしまい、
どろりと注がれた唾液は、あの夜の懐かしい匂いがしました。
逃げるようにくちびるを外し、幾らか抗いましたよ、
けれど、乱暴だと思えるほどの力で、ベッドに押し倒され、
二人の身体、もつれるように、重なり合ったんです。
「駄目よ、こんなこと」
「忘れられない時間にしてやるさ」
「嫌、私、夫がいるのよ」
「俺の方が良いって、思うようになるから」
僅かな時間の間に、ブラウスのボタンが外され、
スカートも脱がされそうになりました。
抗ってその手を外そうとした隙に、反対の手で胸元を開かれ、
ブラの前ホック、上手に外されてしまったんです。
彼の目の前に、露わになった両乳房があふれ出ました。
「堪らない胸なんだね、子どもいるなんて嘘みたいだ」
そんな聞きたくもないこと聞かせられながら、
ベッドの上をずり上がって、もう一度逃げようとしましたが、
その時、もう、さっきまで重ね合っていた彼のくちびる、
私の、柔らかい薄桃色の乳首に、吸い付いてしまったっていたのです。
相手が誰であっても、どうして乳首って、こんなにも、感じてしまうんですか。
身体に広がる桃色の快感に、思わず、甘い声を漏らしてしまった私。
そして、その声が、もう、取戻しのつかなくなった、
ひろしとの本当の時間の、始まりになってしまっていたのでした。
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