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ひろしとのこと13 終焉

2019.04.01 (Mon)


「ひろしの、ひろしの好きなようにして」

求められるがまま、動物たちのように繋がり、
その強い突き上げに、長い髪を振り乱しながら、掠れた泣き声をあげ続けていました。
涙が頬を伝うには、仕方のないように、思えていたんです。

間違いなく、自分のものに染め上げた人妻の、その白い背中を、
ひろし、きっと、満足そうな笑みを浮かべながら、見下ろしていたんでしょうね。

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主計町のお店で、南さんに引き合わされた、
あの初夏の日の夜から半年ほどの間、
自分でも不思議なほど彼と彼のものに惹かれ続けられ私。

彼に誘われるがまま訪れた二人だけの宿で、
私自身が教えてしまった心配のない周期、その身体の奥に、
彼の思うがまま、何の遮るもののないまま、男の人のおびただしいしるし、
三度も、注がれてしまったあの旅行の日から、
それまで以上に、彼を求める思いが強くなっていました。

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彼のおびただしい熱い精液を狂おしいほど欲しくて、
何も遮るもののないままに、心配なくそのまま身体の奥に迎え入れられる時期と、
自分でもあきれるほどの喜びの声を、安心して叫べる場所を、
不貞なふしだらな人妻として、
最愛の夫に悟られぬように、巧妙に画策し続けていました。

どうかしていたのでしょうね。
けれど、その時は、こころも身体も、
彼のおんなにさせられてしまっていたこと、間違いありませんでした。



金融会社のお仕事、外交の途中で、突然、私の自宅に訪れる彼、
それは、一度や、二度ではありませんでした。
玄関で、リビングで、
そして、とうとう、微かに最愛の夫の匂いのする寝室にまで、
抱きかかえられるように連れ込まれると、
ぶつけあうようにくちびるを重ね、唾液を啜り合っていました。

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人目を避けて、それぞれが部屋を予約した、駅前の高層ホテルでは、
落ち合った部屋の、薄いレーズのカーテンの向こうの、
昼下がりの街を見下ろしながら、
今しがたまで、私のお口を犯し続けていた彼の男の人のもので、
下からえぐるように後ろから繋げられた身体、
悦びに震わせながら、自分の方から揺すり続けていたのです。

「生で、出されたいんだろ」

あれほど、心配で、嫌がっていたはずなのに、
そう言われ、耳たぶを甘噛みされると、
安全な日ではないというのに、
その恥ずかしい言葉に応えるように、はっきりとうなずき、
慌てるようにして、くちびるねだってしまっていたのでした。

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幸い、主人には、知られることはありませんでした。
それまでと同じように、毎日、夫のために家事に勤しみ、夫婦の営みにも応えました。
けれど、夫に抱かれ、悦びに昇りつめながら、
私のこころに浮かぶのは、その時、自分を抱いている大切な夫ではなく、
ひろしだったのです。

このまま、自分たちは、どこの行こうとしているのか、
彼と、身体を繋げあうようになって、後、僅かで、半年を迎えようとしていた頃でした。


珍しくひとり、香林坊で冬物の買い物をした後、ちょっと、一息付きたくて、
あぁ、南さんのお店に行ってみることにすると、
ゆっくりと、ウインドショッピングをしながら向かったんです。

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「あらっ、順子、久しぶりね」

幸いなことに、昼下がりで、丁度、お客さんはいなくて、
大通りからの午後の光が、広い窓越しに、柔らかくお店の中に差し込んでいました。
私、南さんの前のカウンター席に座ると、紅茶を頼んだんですが、

「聞きにきたんでしょ」
「えっ、何のこと」

私の前に、素敵な花柄のカップに注がれた紅茶を進めながら、
南さん、ちょっと、意味ありげなウインクしたんですよ。

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「あいつ、もう、この街には、帰ってこないわよ」
「えっ、どういう事」

ちょっと慌てて、花柄のソーサーにカップを戻そうとしましたが、
思いがけず、大きな音がした気がしました。

「取引先の社長の奥さん、あいつ、孕ませちゃって」

手に包んだカップが、細かく震えて、微かな音を立てようとしていたことがわかり、
頭の中に浮かんだ、これまで、彼から言われた言葉が、ぐるぐると回りだしたんです。

「順子さん、飲んでくれるでしょう。いいでしょ」
「ほら、これ、入れて欲しいんだろ。だったら、そう、言えよ」
「いいんだろう、俺に抱かれた女は、皆、そう言うんだ」
「生で出せるの、いつだったらいいんだ」
「欲しいんだろう、俺の精液」
「たっぷり、だしてやるよ、奥に」

身体の奥に、たっぷりと注がれた彼の精液が、
薄っすらと開いた秘唇からどろりと流れ出したあの時の光景が、
一瞬、目に浮かんだような気がして、もう、諦めたように目を閉じたのです。

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「地元の北海道に転勤させられるって」

そう言った南さん、丁度、入ってきた数人のお客さんに、目を移したのでした。


「生で出せるときに、抱かれに来いよ。忘れられないんだろ、俺のが」

何か言おうしたけど、そのまま、慌てるように電話は切れて、
それと同時に、私のこころの中から、潮が引いていくように、
それまでの彼への思いが、少しずつ、薄らいでいくのがわかりました。

なぜだかわかりません。
取引先の社長の奥様を抱き、そして、妊娠させてしまった彼、
けれど、あのまま、彼と関係を続けていたら、
もしかしたら、その奥様と同じように、
彼のあの粘り気の強い、おびただしい量の精液で
私自身が、快感に流されるがまま、
妊娠させられていたのかもしれなかったのです。
そんな彼との関係に、怯え、疲れていたのかもしれませんね。

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あれから、随分と月日が流れましたが、
彼からの連絡はありません。
それで良かったって、今は、思っています。

あぁ、夫には話しましたよ。
もちろん、叱られましたが、以前にもまして、情熱的に愛してくれるようになって、
私にとっては、これで良かったんだって、今は、そう、思っています。ふふ。

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10:03  |  ひろしとのこと  |  Trackback(0)  |  Comment(9)

Comment

左遷でしたか・・

順子様
更新有難うございます。

そうやって、NTRしまくりの男だったんでしょうね。ヒロシにして、さもありなんという顛末ですね。まあ、男としてうらやましくもありますが・・。

今回もいくつかキラーフレーズがありましたが、よし君も叶わなかった?二人の愛の巣に連れ込まれてのセックスは幸せの行方のようでよかったですね。

それから「自分でもあきれるほどの喜びの声を安心して叫べる場所を、」もよかったです。これは男性では書けないのではないかと思います。

さて、次はどちらを舞台は・・ハワイもそろそろ・・。

PS.もしかして、よし君も愛の巣経験ずみですか?
伊集院 |  2019.04.01(月) 15:22 | URL |  【編集】

順子さま
どんなエンディングになってしまうのか、更新が待ち遠しかったです。
タイトル通り、終焉ですね。
順子さまのコメントから、想像していたのは、彼が本命の彼女が妊娠して、結婚することになったかと最初は思いましたが、
結婚願望が薄いようだし、奥さんがいても、他の女の人を相手に遊んでそうだから、順子さまと同じ街にいたら、何かしら続いていそう…。
もしかしたら、転勤だったら…って、考えていました。
最後は、さよならも言わないままだったってことですよね?
風のように現れて、去っていきましたね。
南さんが状況を知っていたのって、なんだか少しショックだったりしなかったのでしょうか。
もしかしたら、ちょうどいい、お別れのタイミングだったのかもしれませんね。
まさか、寝室にあげてないよね…?なんて思ってましたが、やらかしてましたか…
寝室って、夫婦の神聖な場所なはずなのに、彼は順子さまのテリトリーに簡単に入ってきちゃいますね。
柚葉 |  2019.04.01(月) 15:45 | URL |  【編集】

終わり良ければ総て良し

順子さん 楽太郎です。こんにちわ
新元号「令和」になりましたね。

さて、ひろしが取引先の社長の奥様を孕ませる。この波乱の結果は全くの想定外でしたね。
順子さんとしても心と体をひろし色に染められて自分だけの「ひろし」と思っていた部分はありませんでしたか?
ご主人に偽る順子さん自身に疲れて、もしやひろしとの新たな生活を夢見たりもしてたんでは?
結果的に順子さんは浮気して、ひろしも浮気しての何やら性愛の迷妄の様相でしたね。
まあ、ひろしは孕ませた奥様のご主人からタップリと慰謝料ふんだくられたことでしょうね(笑)クビにならなかっただけでも彼としては儲けもんですよね・

さすがの自信家のひろしも社会の厳しい掟を思い知らされて、北海道で大人しくしているんで順子さんに対しても怖くって、連絡ができなくなったと勝手に推測します。だって、彼としては急に連絡途切れた理由の一つに、もしかして?順子さんも妊娠させたのでは?と連想・想像したかもしれませんからね( ゚Д゚)
ご主人に今まで以上に愛されている順子さんに新元号共々乾杯ですね!
楽太郎 |  2019.04.01(月) 17:09 | URL |  【編集】

身代り

女の性とでも言うのでしょうか?
以前順子さんが係れたおかみさんの言葉
「あれを知ってしまったら…」しかも禁断の中に一度受けてしまったらもうあとには引けない‼️社長の奥さまが妊娠して身代りになってくれて窮地を脱出しましたね~でも本当に気持ちの潮が引いたのは、他に一杯抱かれた人がいたことだったのではないでしょうか?
わんぱく |  2019.04.01(月) 19:23 | URL |  【編集】

愛の巣

伊集院さん、おはようございます。
コメント、ありがとうございます。

夫と私だけのものであるはずの大切な自宅の寝室、
そこで、夫以外の男の人に身体を開いたこと、
ひろし以外にもありました。
よし君ともそうでしたし、
ここに書いていない男の人とも、そんな時間を過ごしたこと、あったんです。

ベッドサイドに置かれた写真に写った夫に見られながら、
夫ではない男の人のものを、身体の奥に突き入れられながら、
悦びにのぼり詰める声をあげたこと、あるんですよ。
微かに夫の匂いを感じながら、
その夫ではない男の人のものを注がれるのは、背徳の極みのように思えました。

こうして、彼とのことは終わったと思っていました。
もう、二度と逢うこともないだろうと、
その時はそう、思っていたのです。

コメント、ありがとうございました。
また、お願いしますね。
順子 |  2019.04.02(火) 08:52 | URL |  【編集】

別れのタイミング

椎葉さん、おはようございます。
コメント、ありがとうございます。
朝の片づけが終わって、ゆっくりしてます。

椎葉さんが言われるように、
この時が別れのタイミングだったのかもしれません。
あのまま、ずるずると彼との関係が続いていたら、
その奥様ではなくて、私が妊娠して、
たいへんなことになっていたのかもしれませんね。

夫と私だけのはずの寝室のことは、
伊集院さんへのコメントに書いた通りです。
呆れられると思うけど、
その時は身体が相手のこと欲しがって、仕方なかったんですね。

コメント、ありがとうございました。
また、お願いしますね。
順子 |  2019.04.02(火) 09:00 | URL |  【編集】

性愛の迷妄

楽太郎さん、おはようございます。
コメント、いつも、ありがとうございます。

ひろしと奥様のその後の詳しいことは、よく知りません。
ただ、正直に書くと、あれから今日まで、
彼から一度も連絡がなかったわけではないし、
一度も逢わなかったわけではないんですよ。
でも、ここで書くこと、きっとないだろうと思っています。
あぁ、主人には話してあるんですけどね。

夫は、私とひろしとのこと、随分と前から薄々と分かっていたようです。
もしかしたら南さんからも聞いていたのかもしれませんね。
自分に何も言わないで、ひろしに抱かれに行く私を、
夫は知っていて許していたのだと思います。

ひろしとのことが分かってからは、怖いくらいに抱かれました。
何も言えない私を良いことに、随分と無理なことをさせられたんですよ。
それは、ベッドの上以外の街中でも、
それまで二人の間ではなかったこと、させられたんです。
また、いつか、ここで書いてみますね。

コメント、ありがとうございました。
また、お願いしますね。
順子 |  2019.04.02(火) 09:12 | URL |  【編集】

一度受けてしまったら

わんぱくさん、おはようございます。
コメント、ありがとうございます。

そうですね、女って、一度その男の人のしるしを受け入れて、
他人でなくなってしまうと、
その後、その人とのお付き合い、
それまでとは全然違うものになってしまうんです。
男の人の液って、そんな魔力があるんですね。
それって、よくわかります。

あぁ、朝からこんなこと書いてたら、
なんだか、身体が熱くなってしまいました。

今日は天気が悪そうだけど、香林坊にでもお買い物に行って、
ついでに、素敵な男の人を見つけてお茶でもしようかなぁ。
あぁ、また、悪い癖が出てきたみたい、ふふ。
わんぱくさんが、いけないんですよ。

コメント、ありがとうございました。
また、お願いしますね。
順子 |  2019.04.02(火) 09:27 | URL |  【編集】

偶然の出会い

こんばんは
そんな刺激与えるようなコメントではないですよ~文才もないし
金沢に住んでいないから、偶然を装っても会えないのが残念です。
京都なら一時間位で行けるので、京都で密会したいです。
おばさま調子よくなっても、京都に行く口実つくってお会いしたいです。
まあ、夢ですけど…ふふ
わんぱく |  2019.04.02(火) 19:01 | URL |  【編集】

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