ひろしとのこと11 精液
2019.03.18 (Mon)
なぜ、彼に、ここまで惹かれてしまったのでしょうか。
端正な顔立ちと、社会的にも満たされた生活、
でも、それだけで、私がここまで振り返るとは、思えなかったのでした。
なぜなら、そんな男の人は、これまで、私の前に、何人も現れていたからです。
ただ、私がこれまで、お付き合いをさせていただいた男の人と違うのは、
いかにも、彼自身が、自分勝手だったところでした。
今まで、私とお付き合いのあった男の人たちは、
皆、どうかすると、自分のことよりも先に、私のことを気遣ってくれていました。
確かに、目的は、私の身体と繋がることだったことは、違いないんだろうけど、
そこまでの時間では、食事や、泊まるお部屋、そして、言葉遣いまでも、、
私のために、こころを砕いてくれていたと思えるのです。
それが、彼には、幾らも感じることは、ありませんでした。
むしろ、困るような表情を見せる私を、楽しんで見ているようにも思えたし、
それは営みにさえ、感じられたんです。
自分のもの、私のお口に入れる時も、息が詰まるほど抱き締める時も、
必要がないと思えるほど、乱暴だと思えることが多かったんです。
そんな彼に、こうまで惹かれてしまったのは、どうしてなんでしょうか。
彼みたいな人、私の周りにいなかったからだけなんでしょうか。
バスタオルも巻かせてくれなかった私の裸の身体を、
放るように、乱暴にベッドに倒すと、
私の足首を持った両手を広げ、太ももを開きました。
「一度、出すぞ」
嫌らしい眼差しで見下ろしながら、そう言うと、
自分の男の人のもの、片手で摩りながら、逞しい腰を押し付けてきたんです。
もう、初めてではなかった彼の男の人のものが、
まだ、潤いの足りないとも思えた秘唇を、きしませるように押し開くと、
それだけで、私、細い声を叫びながら、胸を仰け反らせ、
たわわな乳房を揺らしてしまっていたんです。
「堪らないね、締りが」
私の中を楽しむ彼に突かれながら、あっという間に、朦朧とさせられ、
恥ずかしい声をあげながら、彼の広い背中に両手を回すと、
手繰り寄せように、抱き締めていました。
数か月の間に、何度か、彼に抱かれているうちに、
もう、お互いの身体、馴染み始めていたのでしょうか、
幾らもしないうちに、私、悦びに昇り詰めることを告げると、
それに合わせるようにして、彼の息も乱れ始め、
それまで以上に、深く、奥にまで、突き入れ始めたのです。
「ほらっ、今」
そう言われて、一瞬、身体を硬くしたようにも思えましたが、
それ以上に、彼のものを搾り取るように締まり始めた自分の肉壁、感じていたんです。
夫のこと、ほんの僅かも、こころに浮かべることはありませんでした。
今はただ、彼の白い精液、自分の身体の一番奥に、
残すことなく出してもらいたかったのでしょうね。
曇った彼の声が、聞こえると、息の詰まるほど、抱き締められ、
とうとう、その時が訪れたこと、知らされました。
どくどくって、身体の奥に突き入れられた彼のものが、
太くなり、脈打ちだしたのがはっきりとわかりました。
そして、お腹の中が、温かくなったことを感じた時、
私、その温かさに誘われるように、声にならない声を叫びながら、
目のくらむような悦びの頂に、昇り詰めていったのです。