ひろしとのこと2 蔦の店2
2019.01.21 (Mon)
腰に腕を回され、ちょっと強引に抱き寄せられても、
恥ずかしそうに笑みを浮かべながら、私、それほど、嫌がりませんでした。
酔いがそうさせていたって、言い訳していいですか。
それに、店の奥にあるカーテンで仕切られた個室、他の人には気付かれないんですよね。
そんな私の様子を見ながら、そっと、首筋に顔を埋めた彼、
私、赤く染まっていただろう耳たぶに、その熱い息を感じると、
身体をくねらせ、身悶えしてしまったのです。
「あぁん、駄目よ」
けれど、そう、甘い息を漏らしながら、
そっと、顎先に指を添えられ、くちびるが近づいてきたことも、拒めませんでした。
そんな私を見透かしたように、
いい匂いのする濡れたくちびるが、ねっとりと重なってきた時でさえ、
私、少しずつ息を荒げながら、彼の熱い舌先が、自分のくちびるを押し開きだすのも、
そのまま、許してしまっていたのです。
逢って、まだ、二度目の夜だっていうのに。
頭の中が、赤く染まり、身体が熱く燃え上がりだしたのが感じられました。
薄いブラウスの胸元を押し開いて、忍び込んできた彼の手のひらが、
ハーフブラの上から、胸の膨らみをちょっと乱暴に揉み上げだしたのです。
「あぁん、嫌ぁ」
「思ってた以上に、大きんだね」
小さな掠れた声を漏らした唾液に濡れた唇に、
もう一度、彼のくちびるが這いまわるように重ねられると、
差し込まれて舌を、抗うこともしないで、むしろ、私の方から迎えてしまうと、
絡ませあい、吸いあっていたのかもしれません。
粘り気の強い唾液がどろりと流し込まれた時も、なんのためらいもなく、
音さえ立てるようにしながら、啜り飲んでいたのです。
「ほらっ」
そう言われて手を引かれ、眩しそうに眼を開くと、
彼のいやらしそうな笑みが見下ろしていました。
引かされた手のひらには、
いつの間にか、スラックスの前から飛び出すようにした、
彼の熱い男の人のものを、握らされたのです。
「あぁ、なんて、大きくて太いのかしら、それに、こんなに反り返って」
そう思って、思わず引こうとした手を、彼の手が、強引に包みました。
「でかいでしょ。ほらっ、こうやって動かしてみて」
私の手の動きに誘われるようにして、
その先から、透明な液が、だらだらと伝い流れ、私の手のひらを濡らしました。
ぼおってして、甘い声を漏らしてしまっていた私、
彼の手の平に包まれたまま、自分の手、ゆっくりと動かしてしまったのです。
「下着脱いで。後ろから入れてあげるから」
そんな恐ろしいこと、私、その言葉に、少し覚めたのかもしれません。
耳元で、荒い息の中でそう言われて、拒めそうもない自分に呆れていましたが、
「ごめんなさい。私、人妻なのよ。そんなことできないわ」
そう、掠れた声で言うと、
それまで以上に膨れ上がった、熱い彼のものから手を離し、
ふらふらとしながらも、かろうじて、立ち上がって、
白いブラウスの胸元、やっとの思いで、直したんです。
その夜、かろうじて、
彼と身体を繋げ合うことも、若い精液を飲まされることもなく、
身体の求める欲望を押さえながら、やっとの思いで、お家に帰ることができたんです。
けれど、今思えば、それは、
私とひろしとの、ただれるような時間の、
ほんの幕開けにしか過ぎなかったのでした。
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