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今夜も一夜妻 福井編6

2020.12.07 (Mon)


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はだけた浴衣の胸もとに気付いて、慌てて襟元を重ねました。
思いもかけず、いつもの時間に目覚めることがなく、
淡い朝の日差しが、少しだけ開いていた厚いカーテンの隙間から、
うっすらと、部屋の中に差し込んでいるのに驚きました。

彼の姿、隣にはなく、昨夜、私が握りしめ続けた乱れたシーツが、あるだけでした。
後で聞いたところ、朝の散歩に出かけていたとのことだったのですが、
正直なことを話すと、朝食までの時間を、もう一度、二人で過ごしたかったのです。

浴衣を脱ぐと、お湯をいただきました。
初めての男の人に、散々に抱かれ続けられ、
悦びの声、幾度聞かせたのか、分からないほどの夜を思い出し、
薄っすらと立ち昇る湯気の中で、小さな息を吐きました。
幸いなことに、抱かれたしるし、身体には見つけられませんでしたが、
くちびるが、腫れぼったく感じられました。

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夫ではない人に、散々抱かれたというのに、
私自身の身体は、自分でもはっとするほど、透き通るように白く輝いていて、
良いように揉み続けられた両の乳房もたわわで、
つんと尖った乳首も、綺麗に思えたんです。
この身体、もう一度、彼と繋がりあうことがあるのでしょうか、
そして、あの彼のもので、昨夜のように、悦び続けることがあるのでしょうか。


二人での朝食が終わると、部屋に戻り、帰りの支度をしました。
脱衣所で、秋口らしいシックなワンピースに着替え戻ると、
彼も、緑色のチャックのスラックスのベルトを締めなおしているところで、
私は部屋のクローゼットから、趣味の良い彼のジャケットを取り、
彼の背中に当てようとしました。
一夜妻ではありましたが、そのくらいのことは、当たり前だと思えたのでしょうね。

「もう、他人じゃないんだね」

そんな、彼の、身体の奥に忍び込むような、低い声、耳元に響き、
改めるように、そっと、手を握られ、
そして、その声を聞いた途端、昨夜の彼と自分との恥ずかしい姿、
一瞬で、頭の中を走り抜けると、
同時に、自分の身体の奥が、その時と同じように、
燃え上がるように熱くなったのを感じました。

思わず、ずるずると、彼の身体にしがみつくようにして、崩れ落ちた私。
目の前にある彼のベルトを緩めると、息を荒げながら、スラックスに手を掛けたのです。
目の前が赤く染まっていたような気がします。
興奮して、自分が何をしているのか、分からなかったんでしようか。

昨日の浴室では、求めらるがままにお口に含んだ彼の男の人のもの、
今は、むしゃぶりつくように、自分からくちびるを開いたのです。
数えきれないほど、私のことを悦びに誘った、今は大切な彼の男の人のもの、
愛おしさも増していたのかもしれませんね。

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「嫌らしいだね」
「あなたが、西村さんがいけないのよ。私をこんなにして」

我慢できませんでした。
今は、ただ、彼を迎えるだけのために、慌ただしく、途中までショーツを下すと、
猫足のキャビネットに両手を付け、
後ろから彼を迎え入れるのに、丁度いいように両足を少しだけ開きました。

彼の男の人のもの、お口で愛していたためでしょうか、
よく効いたエアコンの冷気が、熱を帯びた太ももの間を這いあがり、
薄っすらと開いていただろう、
ひどく濡れてしまっていた秘唇の溝の濡れ具合を、しっかりと感じさせました。

そっと、彼の両手が、背中に当てられ、少しだけ力が加わりました。
自分のもの、私と繋ぐために、角度を調整したんでしょうか。

「西村さんが欲しい」

声がひどく掠れ、涙で瞳が潤んでいたこと、覚えています。
求められもしないのに、秘唇を濡らし、自分から下着を脱いで、
彼のもの、はしたなく後ろから迎えるために、太ももを開くと、
そんな女に、まぎれもなく彼の妻になってしまっていたんですね。

腰に彼の両手が当てられ、
二人の性器の場所、探りだしたのがわかりました。
その長大なものが、昨夜と同じように、自分の秘唇を貫き、
自分の身体が、もう一度、彼の妻に戻ってしまう時を待って、
私、そっと、目を閉じるしかなかったのでした。

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帰りに、福井駅まで送ってもらう途中、
西村さんの車に乗って、久しぶりに東尋坊を訪れました。
幸いなことに、丁度、夕暮れ時で、
夕日に染まる日本海と東尋坊の絶景を見ることができました。

「また、逢ってくれるかな」

そんな言葉に、
今朝旅館のテーブルに両手について、
スプーンが重なり合うようにして身体を繋げあった、
恥ずかしい二人の姿が目に浮かびました。

彼の長大なもので突かれ、我慢できなかった叫び声をあげながら、
彼のおびただしい男の人のしるしを求め続けた自分の姿が思い出され、
うつむくことしかできなかったのです。

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彼の問いに、返事は出来ませんでした。
けれど、近いうちにまた、彼の一夜妻として、
また、私と逢うこと、
きっと、彼、察していたのかもしれませんね。

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