地中海での思い出11 マルセイユ3
2016.12.13 (Tue)
ブラウスの上からあてがわれ、乳房の柔らかさを楽しんだ手が、
そっと、おとがいに添えられ、顔を向けさせられると、
懐かしい匂いのする濡れたくちびるが、うっすらと喘ぎ開いた私のくちびるに、
擦り付けられてきました。
そして、いくらかの間で、その柔らかさを味わった後、舌先がくちびるを開いて、
私の舌に、絡もうとしたのです。
いたたまれない時間を迎えようとして、抗いもできたはずなのに、
どろりと、流し込まれてきた唾液を飲まされた途端、
もう、私の身体、彼のものを、受け入れるための準備、
終えようとしていたのでした。
「なんて、狭いんだ」
そう、唸るようにいいながら、潤いだしてしまっていた秘唇の溝、
進み、戻りながら、
私自身も、彼の望むように、その位置を探し出していたのです。
身体の奥の柔らかな濡れた肉壁に、
彼の恐ろしく固いものが、届いたことを感じた私、
強く仰け反り、悲しげな細い声をあげ、
二人がしっかりと繋がりあったこと、彼に知らせたのでした。
「あぁ、我慢できない」
いつになく、興奮されていたのでしょうか。
いくらもしないうちに、他人ではなくなった夜には聞けなかった、
だんな様の、慌てたような曇った声を聞かされました。
この旅行中、身体の周期が、大丈夫であることを知られていた私、
その声に誘われるように、悦びの予感が身体を染め始めたこと感じてしまったのです。
腰に当てられただんな様の両手に、それまで以上の力が加わり、
下から、えぐるように、突き上げられると、
その瞬間が、否応なく、訪れたことが分かり、
そして、その直後に、身体の奥に弾き出された温かさに、正直に誘われるようにして、
激しい桃色の悦びに、昇り詰めていったのでした。
頭の中が真っ白になり、
膝ががくがくってして、腰砕けになりそうでしたが、
繋がったままの彼に、抱き上げられながら、
激しい息遣いを聞かせていました。
意識を失いそうでしたが、振り向かされて寄せられてきたくちびるに、
朦朧としたまま、自分の方から、舌先を滑り込ませてしまったのです。